キングアニメ部門の動向に思いを馳せる 〜キングとアニプレの微妙な関係性から〜

シンフォギアの続編はテレビ4期・5期が決定してるのだという。キングのシンフォギアにかける期待は相当大きいという事だろう。
実際のところ、最近のキングではスタチャが消滅し、田村ゆかりが去って…と、これだけでもかなり不穏雰囲気が漂っている。キングは今、どこに向かおうとしているのか。
そこで気になってきたのが、アニプレックスとの関係性。アニプレックスとはシンフォギアでも関わりがあるが、なのは時代からの関係でもある。
なのはは、セブンアークスとキングで始めて大成功したけれども、ストライカーズで陰りが出た後の劇場版でアニプレックスが入り、立て直す形となった。それは一瞬出来た様に思えたけれども、実際には受け手の世代交代が上手くいかず、vividではほぼ死に体になっていると言って良いだろう。
DOGDAYSは最初からなのはチームにアニプレックスが関わり、なのはの方法論で引っ張っている印象。より安定したコンテンツとしてそれなりの成果を挙げたと思うのだけれども、若干の尻すぼみ感により3期の後のシリーズが続くかは不明瞭。
そしてシンフォギアは企画上松、音楽キングに、これまたアニプレが関わる。しかし、アニプレックスは1期の売上不振で早々に縁を切ることに。ところが、当初からの企画意図であるライブとの融合が噛み合い始めた2期以降は順調で、武道館ライブも成功させた今では新たな成功の形とまで言われる。
これらを見ると、アニプレックスとキングが相当微妙な関係性であるように思える。
アニプレとしてみれば、なのはでキングに乗ったけれども継続する事は出来ず、シンフォギアでは最初の躓きだけで見限った。しかし、手を引いた事が作品を良い方向に向かわせてしまうという皮肉。今のアニプレはソシャゲの売り上げに夢中で、アイマスグラブルをしっかり掴んでおきたいという思いが強いだろう。
思うに、品質向上や売上アップの方法論に富むアニプレは、成功企画に入り込む機会も多いのだろう。しかし、その上で新機軸による更なる拡大、継続が出来るかは場合による。例えば、アイマスなどは、バンナムコロムビアで始めて大成功したところにアニメ企画としてアニプレが入ったが、ネットとの関わりで世代交代が上手く行えた所だったためより大きな成功を収めている。
エヴァをヒットさせたかつての覇者キングとしては、なのはにアニプレを引き入れても結局延命は出来なかった。しかし逃げられたシンフォギアが皮肉にも息を吹き返して良い所取りとなっている。ここに期待したくなるのは人情だろうが、今後どうなることか。
企画の最初から立ち会う気風に富むキングは、新機軸による大当たりを引くこともあるが、その先を継続させる方法論を確立させている訳では無いように思える。
実際には、アニプレが最初から成功させた企画も多くあり、総合力から言えば今となってはアニプレの方が断然上。とは言え、その力の一部であろう「作品評価」という点で非情とも言えるコンテンツの切り捨ても行われていて、それはファンにしてみれば嫌な側面でもある。
そして、やはり気になるのがキングの動向だろう。オタクブームを作ったエヴァの魔法が消えかけている今、新機軸を試したり一コンテンツを安易に捨てないなど、ばくちと温情で切り抜けられる時代ではない。スタチャの消滅は、アニプレ的な、より非情な方法論に向かうサインではないかと危惧してしまう。
これから先のアニメの方法論として、ソシャゲとイベントというキーワードは重要になると思っている。ただ良いモノを作るだけでは無く、よりアクティブに受け手に刺激を与え続ける方策が必要。未だ旧態依然な印象の強いキングは、その辺りだけ見直せばよいと思うのだけれども。
なのはでは成功のファンへのお礼としてしか機能させてなかったイベントが、シンフォギアによって企画を成功させるメインの力に成り得ることに気付いたはずだ。後は、収入源の多くがソシャゲに向かいつつあるという状況にどう対応していくかだろう。
ただ、そんな中でも、ファンから期待されている作品の「有るべき続編」を、無かったことにするようなことだけはしないで欲しいものだ。