魔法先生ネギま! 143時間目 恐怖!デスメガネの真実!!

絶望的な戦いの中、自らの才能を開花させる新たなパクティオー者、夕映とパル。そして、その結果は…。
この戦いそのものは全てチビキャラの幻覚だった。うーん、この展開、段階的なキャラの成長を促すという点においては上手く出来ているといえるかもしれないが、あまり感心しないオチのつけ方ではないだろうか。(夢オチがダメというわけではない)一つに、先週、カモによってわざと間違った情報を与えている。これほどまでにあからさまなミスリードは作品を安くさせてしまう。もう一つに、この実戦は読者に望まれていたという事もある。高畑は超に敗れた。ならば、その高畑を倒せなければ超の相手も難しい。超という強敵を設定した以上、高畑のような「中ボス」との戦いによって主人公が強くなるのを読者も期待している。結果、自力で倒したのは事実だが、それが幻覚だったというのであれば、不安を抱えたままになってしまう。演出面でも構成面でも少し疑問を感じる結末だと思う。
しかしまあ、そんな事より…、
夕映が…、ゆえっちが…、ふっとぱされて、「ビクッビクッ」してる!「ガクガク…」している!!
ちくしょう、チビ助、絶対許さん。たとえ幻覚の中とはいえ、夕映にとんでもない事をしやがって!
実に不愉快だ。(なにやら、やつあたり気味w)
とはいっても、今回は夕映大活躍の場であったのも事実。概ねオーケーとするか。
その他のパーティも今回、かなりのレベルアップがあった。
パルは即戦力になるゴーレムの召還が可能である事が判った。これは恐らく幻覚の中だけのことではないだろう。彼女の能力も応用のきく力と言えるだろう。
夕映と明日菜については長くなりそうなので章を分けよう。

夕映、大魔法使いへの道

魔術というものは、精神に関わる点からも知識と密接な関係にあるはずだ。ネギまの世界では、たとえ魔法の呪文を知っていてもその習得までに時間がかかる事(灯の魔法とか)から、知識=魔力ではないのは事実だが、より深い知識が精神に影響し、魔法習得の力になる事もあるに違いない。ましてや夕映は元々哲学者である。哲学とは、より深い思考技術を習得する学問。そんな彼女が魔法習得に強い意欲を持ち、得るべき魔法情報がほぼ無限という立場に立った時、その魔法技術の向上スピードはかなりのものになると推測される。
今回もその知識だけで新たな魔法を発動した。
一つは多分、感卦法を破る技で、もう一つは幻覚を破る魔法。どちらも世界図絵を調べただけで一回で発動させた。多分これらはレベル低い魔法なのだろう。ただし、その触媒として明日菜の魔法無効化というレアな能力が必要というだけ。
幅広い魔法体系の中から的確な選択をして行使する事は、単により強い魔法を習得するよりも効果的という事もあるかもしれない。そういう意味では、魔法=知識という事も言えるだろう。ある意味無限の知識を持っている夕映は、この時点で既に大魔法使いと言ってもいいかもしれない。
ちなみにこの件についても、カモがミスリード的な解説をしている。一見「即戦力的ではない」が、一寸した活用法で充分即戦力として利用できる力である事は間違い無いだろう。魔力を保管する魔法、高レベルの魔法を分割する魔法、呪文を高速で唱えられる魔法、同時に唱えられる魔法、魔法を強化する魔法、などを駆使して、大攻撃魔法を一人で実現する夕映の姿が目に浮かぶ…。でっかいトカゲへのリベンジも目前かも知れない。

明日菜の戦闘能力

今回の明日菜もかなりの成長が見られた。
偽高畑の居合拳を避けまくる。偽高畑といえども、その能力は本当の高畑より劣った設定になっている訳ではないだろう。彼女の戦闘能力は急速に成長していると言える。
明日菜は今でこそ魔法無効化能力がクローズアップされている。しかし、同じように気にかけるべきは、元からある戦闘の基礎能力だろう。出席簿に書かれた「すごいキック」も今となっては単なるお遊びではない。分厚い扉を吹っ飛ばすキック力、自動車並のスピードで長時間走れる脚力、鍛えられた戦士のような反射神経、誰よりも鋭い聴力。ネギがどんなに頑張っても拳をあてる事が出来なかった茶々丸へも最初の遭遇時から蹴りを入れ、刹那ですらてこずるあのエヴァとも感卦法習得前から対等に喧嘩していた。これらを考えれば、最近の彼女の戦闘力向上も、成長というより、まるで眠っていた能力が目覚めている感じだ。
彼女は一体どんな「戦闘種族」なのだろうか。オッドアイ魔法無効化能力と併せて気になるところだ。