鍵姫物語 永久アリス輪舞曲 第12話

いやはやまいった。全部力技でねじ伏せている。
大きな疑問点は三つ。
一つ、あらゆる願いをかなえる終わらないアリスの物語はアリス・リデルの嘘から生まれたものだというが、そのアリス・リデルが現在も存在し、メルヴェイユ空間を作るなどしてその物語の完成を目指しているのならば、その超常の力は一体何処から生まれているのか?
二つ、有人がアリス・リデルに目をつけられたのは、彼がタキオンに代わる想像力の持ち主で、彼が終わらないアリスの物語を書いたからだというが、それはメルヴェイユ空間でアリス能力者から書き写したものではなかったのか?
三つ、有栖川ありすの人格は有人の作った終わらないアリスの物語から生まれたというが、彼女はまるで物語そのものの存在としてあるようだ。彼女のアイデンティティーは何処から生まれているのか。
これらの疑問点は、まるで複雑なメビウスの輪の様に循環する疑問となって絡み合っている。タマゴが先かニワトリが先か?
しかし、これについては一つの明確な回答によって解決する事ができる。それは「物語の中で、物語として語られた矛盾点は、物語として面白ければ、物語として成立しているので、問題にならない」ということ。簡単に言ってしまえば「面白ければオールオッケー」。さらに言ってしまえば、「全ては有人の書いた物語にすぎない。夢落ちと同義。」とも言える。
さまざまな疑問点はさておき、一応収まるべき所に収まって、事態は終結。残るは有人の心の内の問題だけ。次回、感動の最終回が待っているだろう。心してみてみたい。