歴史改変の考察及び今後の展開予想・序

今まで何度も書いて、まとめてきた事だが、もう一度まとめよう。
まずは、タイムパラドックス処理と歴史改変の基本的なまとめ。
SFにおけるタイムパラドックス処理の仕方は大きく分けて次の3つ。
1. 運命決定型(神の見えざる手型)
歴史はタイムトラベルも含めて全て決定事項であるとするもの。過去に遡っても「神の見えざる手」によって操作され、予め定められた歴史しかなす事が出来ない。
歴史改変は不可能。
タイムパラドックス解決の答えとして科学者にも可能性を認められていたが、最近では量子論の提唱により勢力が落ち気味。古典SFで傑作を多く生み出した考え方でもある。
2. 歴史上書型(バラドックス未解決型)
タイムトラベルによる歴史改変をそのまま受け入れた型。タイムトラベラーの主観においてのみ因果律が保たれている形が多い。しかし「親殺しのパラドックス」などでは、タイムトラベラー・その親双方が消える、などの現象が生じる。実際にはタイムパラドックスを解決していない。
歴史改変は可能。
物質が消えるなど、物理的にありえない事が生じる為、科学的とは言えない。エンターテイメント映画などでよくとり入れられる。
3. 歴史分岐型(パラレルワールド型)
タイムトラベルによって歴史改変した場合、その改変された世界は別の世界として存在する、とする考え方。
違う歴史を認識する事が出来るが、根本的に歴史改変は不可能。
量子論における世界観とも合致しており、現在最も科学的で可能性の高いとされるタイムパラドックス解決案。これも古典SF名作で多く使用されているが、その多くはタイムトラベルものというよりもパラレルワードもの。この型を使ったタイムトラベルを認識させる作品は、案外漫画やラノベなどで多い。