歴史改変の考察及び今後の展開予想 蛇足:最近休載が多い訳

もう一つ書きたい事があると言ったが、それは「ネギま!」という作品を取り巻く環境についてである。
ネギまは、連載開始以前に既にかなり細かい設定を決めていたといわれているが、同時に、アンケート調査等、取り巻く環境によって展開を変更する事もあると、赤松健自身が日記などで明らかにしている。
今回の超の事件は、作者の意図としてはタイムトラベルを扱ったかなり精密な物語にしようとしているように思えるが、そんな物語を展開中の現在、この作品を取り巻く環境に少し気になる事が表れているのではないかと思っている。
それは、「涼宮ハルヒの憂鬱」のヒットである。
ネギまは、一度はアニメ化等メディアミックスに失敗したと言われているが、それでも最大級の発行部数を誇る少年漫画誌において最も良いアンケート結果を取りつづけるなど、その実績は若年層のエンターティメント(もっと端的に言えばオタク文化)において最先端、もしくは最大級の作品であるという自負をもっていると思う。少なくとも作者はそのくらいの気概をもって作品を製作しているように思える。であるから、世で話題になった他の作品は全てライバルであり、チェックの対象となる。
その中で、ネギまの超編にとって、「涼宮ハルヒの憂鬱」のヒットは無視できないものではないか、と思える。
涼宮ハルヒの憂鬱」は、第1巻こそかなり突飛なストーリーだが、巻が進むにつれて、かなり複雑なタイムトラベルを扱ったSF描写が表れてくる。基本的には「運命決定型」でありながら、ある時は「パラレルワールド」を連想する展開になり、結局は「歴史改変」に落着くなど、縦横無尽にタイムトラベル物語を展開している。さらにはそのタイムトラベル理論を量子論よりも進んだ「静止画時間論」に求めるなど、最先端を臭わせるような遊びも加えている。
この作品がアニメ化をきっかけに世間に知られ、小説が何十万部も売れたという事実は、同じく最先端を求めるネギまにとって実は一大事なのではないだろうか。
この「涼宮ハルヒの憂鬱」のヒットを受けて、ネギまも、当初予定されていた展開よりも、タイムトラベルの設定を精密にしたり、最先端の情報を取り入れたりと、改良を加えている可能性があるかもしない。
そして、最近休載が多いのは、この改良の為の作業をしているからなのでは、と邪推している。