世界樹の起源は?

蟠桃といえば、西遊記に出てくる蟠桃園の9000年に一度実を結び食べると不老不死になるというものが有名だが、周期毎に発光するという設定から結びついた名前だろうか。蟠とは平たいという意味で、普通に実在する平べったい桃らしいが。
確かこの世界樹は樹高270m、普通根っこは樹高と同じくらいの深さまで根を張るということから、地下120mというのが根の中心部というのは理にかなう。
それにしても、この中心部は一体何だろうか。カモの推測では「世界樹の魔力を集める装置の遺跡」となっているが、最近の彼のセリフは全部ミスリードに聞こえてしまい、あまりあてには出来ない。問題は、世界樹が先か、遺跡が先か、ということだろう。世界樹の存在を先に知った者にとってみれば、まず世界樹があり、その神秘の力を利用する為の遺跡と思えてしまうが、もちろん逆の可能性もある。巨大な魔力を放出する遺跡がまずあり、その影響で周期的に発光する特殊な巨大樹が育ったという訳だ。実際、世界樹の魔力がおさまりかけている中、世界樹の中心遺跡が明らかに宙に浮いており、単に世界樹の魔力に頼っただけの施設とは思い難い。
この謎を解くキーとなるのは、この施設が魔法使い日本支部のすぐ近くにある事だろう。途中ドラゴンに襲われたりもしたが、ネギパーティがそれほどの労もなく辿り着けたという事からも、当然この遺跡の事は魔法使い達も知っているにちがいない。
となると、この場所の正体として魔法使い達が住む魔法界への入り口」という事は考えられないだろうか。
魔法界は、ほとんどの魔法使いが住むという事からもかなり大きな世界であろう。例えば魔法使いが人力で作り上げている世界とは思えない。もとからある異次元の世界に人間が移住、もしくは独自の生態系をもっているほどの世界、と考えるのが妥当だろう。そしてそこに住む人間が魔法使いであるのならば、そこには魔力がより高密度で遍在している可能性もある。
つまりその魔法界へ繋がる異次元の穴が古代からそこにあり、魔法使い達もその穴を古代から利用していた。そして、そこから漏れ出す魔力によって世界樹もこの様に育った、という事も考えられる。もしくは、その穴を通じて魔法界から運ばれた魔法界産の樹の種が実ったという可能性もあるだろう。
もしかしたら、古代の人はその育った世界樹を頼りにして魔法界への入り口を見つけたのかも知れない。この地が「聖地」と呼ばれている事からも、ここから魔法界に入ったことにより、人は魔法を手にしたのかも。
だとすれば、世界樹の起源は、同時に魔法使いの起源なのかもしれない。