推論:「同じ舞台」の真の意味

上記のようにハカセの呪文の推定した場合、超のセリフを検証する際、この呪文が与える影響を考える必要が出てくる。
というのも、時間を行き来し、この呪文の期間に入ってきたネギの行動もこの呪文に影響を受るはずで、それが一体どんな結果を招くのかを考える必要が出てくるからである。
ここでまた一つの仮定をする。
時間遡行者が歴史を変えられる存在だとすると、その現象は一体どのような形で表れるのだろうか。実は、この想定は全く科学的ではない。一番認識しやすいのが映画「バックトゥーザヒューチャー」だろうか。映画の主人公は自分の母親の結婚を邪魔した為に自分が消えそうになる。仮にこの悲劇が実際に起きた時、この主人公の存在は一体どうなるのか。結果だけ見ると、「結婚を邪魔する者が忽然と表れ、人知れず消えた」という事になる。この「表れて消えた存在」は、時間旅行が起こした「時空の歪み」とすればよいだろうか。科学的とは言えないが、なんとなく説明がついたように思えれば良いだろう。これがハカセの唱えた呪文により時間移動によって起こりうる効果であると仮定する。
超は、未来人である。それも彼女曰く「人類が火星に住む」程度先の未来から来たらしい。その彼女が、人類文明を変えるほどの歴史改変を行ったとすれば、彼女の住んでいた未来は大きく変容しているだろう。そうなれば、当然、彼女自身の存在は「跡形もなく無くなる」のは想像に難くない。
つまり、超は「計画を成功すれば消える」立場にあると言えるだろう。
ではネギはどうだろうか。
ネギは超によって一週間先に飛ばされた。そして時間遡行をして、このハカセの呪文の期間に入った。ここで、超の計画を阻止したとする。すると多分「ネギも消える事になる。」
ネギが超の計画を阻止した1週間後の世界は、当然、ネギ達が前に飛ばされた「魔法ばれした世界」ではない。だから、ネギ達は過去に戻る必要は無い。ネギ達が超の罠にかかって飛ばされた1週間後は「魔法ばれしていない世界」になっていて、ネギ達はそのまま過去に戻る必要も無く時間の流れどおりに過す事になる。では、超と対決したネギはどうなるかと言うと、これこそが、消えてしまう存在、つまり「表れて消えた存在」=「時空の歪み」となるわけだ。もっと詳しく言えば、ネギチーム全員(ネギ、明日菜、木乃香、のどか、刹那、夕映、千雨、パル、くー、楓)の、1週間後に表れてから過去への移動を成し遂げるまでと、学園祭最終日に表れて計画を阻止した時までの時間の存在が全て消えてしまう事になる。(存在はするが、現存するネギチームに引き継がれない記憶になる)これは、ネギチームの各々が真に力をつけ、ネギ自身も大きな意識改革を成し遂げた、短いながらも貴重な時間の喪失に他ならない。
超が計画を成功させれば「超が消える。」ネギが計画を阻止できれば「ネギが消える。」
つまり、「成功した方が消える」という事を、超は「同じ舞台」というセリフで表現しているのかもしれない。