魔法先生ネギま! 162時間目 幸福な未来に再見!!

超編完結。ふー、やっと終わった。作者には御苦労様。
この終わり方は、後に禍根を残さない、ある意味一番「正しい」終わり方といえるだろう。
超は計画を失敗する。動機はぼやかしたまま。未来に帰る。しかし、望みは達成している。
前回のネギのセリフを考えてみる。「現代に残って一緒に未来を変えよう」という超への誘い。このセリフはある意味欺瞞に近い。ネギが超と戦ったのは、未来人である超に歴史を変えさせない為。確かに、超の計画は自分自身が未来に帰ってしまうという点でも自分勝手なものだが、超が現代に残って責任をとっても未来人が歴史を変えるという事実に変わりは無い。やり方さえ変えれば良いと言うものでも無いだろう。歴史を知っている超にその行動を自由にさせるという事は、それだけで彼女の恣意的な世界に出来るという事であり、これは絶対に阻止すべき事。ネギの1週間の遡りなどと比べられるものではなく、善悪論と関係無くても現代を生きる人の尊厳を守る為に、現代人として対抗すべき事だったはずだ。
だから、物語上から考えても超が身を引き未来に帰るのは絶対条件だった。抜け道があるとするならば、超自身が記憶を失うとか、目的を完全に果たした事を確認して見守るだけの存在になる、等の厳しい制限がついた時だけだろう。しかし、記憶喪失はかなりシビアな展開でありそうも無いし、見守るだけの存在になるというのもキャラとして存在価値が無い。つまり、超は「ほぼ絶対に」未来に帰らなければならなかったはずなのだ。とは言え、より複雑なSF設定を持ちこめば、いくらでも介入は可能なはずだし、より複雑化するであろうネギまの今後の展開の中で、超の再度活躍も期待したい所だ。
そのような状況の中で未来に帰る超が残したセリフ「望みは達成した」とはどういう意味だろうか。
それは、超が戦っていたネギ自身の言葉の中にある、とするのが自然だろう。「一緒に未来を変えよう」という事は、ネギ自身が変えるべき問題点を現代に見出したという事。これは超と出会い対立しなければ考えられなかった事かも知れない。超は当初から意識的にネギをこの問題に係わらせてきた。カシオペアの貸出しもその一環だろう。また、ネギが超の祖先である事もなにか大きな意味があるかもしれない。
超の計画は失敗した。しかし、同時に行っていたもう一つの計画は、ネギの言葉を得た事により達成した。超の言葉はそういう意味なのかもしれない。
それにしても、やはり謎なのは五月だ。超にとって「超包子」つまり肉まんはどうしてそれほど重要なのだろう。深読み出来る謎が隠れている気がしてしょうがない。「超包子」の発展がネギの成長と大きな係わりを持っていたりして…。本当に謎だ。
なんにしても超は帰ってくるだろう。それは彼女の言葉からして明らかだ。ただし、それはずっと先、ネギの本当の意味での一大事の時、もしくは全ての事象が集約する時までとっておかれる可能性は高い。まあ、それでも2年間も暴れたのだし、血族である事もほぼ明確になり、完全に独自の位置付けを獲得しているのだから、充分といっていいだろう。彼女にも一時ご苦労様と言いたい。
さて、超についてはこれくらいにして、彼女の最後に残した最終兵器の効果について考えてみよう。
最終兵器「超家家系図」。つまりはネギの未来の結婚相手のわかるアイテム。これの投入によって、ネギチームは脆くもわずか57秒で壊滅してしまう!!恐るべし超鈴音!(^^;
これに強く反応する者ほどネギの結婚に興味を持っているという点で、これほど面白いアイテムは無い。図書館4人組はほぼ陥落。ただし、パルは元々この手の話が好きだし、木乃香は普段から結婚に意識が強い方(お見合いとかさせられているので)なので、純粋にネギの結婚への興味=好意と言いきれない。こういう時運が良いのか悪いのか一番美味しい位置に立ってしまうのがのどか。偶然手にした家系図の魅力に抗えない。対して夕映はなんとか自制している。何故かその場に表れたいいんちょまき絵ビブリオンペアは自制の気配無し。そんな連中を張り倒した千雨は自分でもそれに興味がある事に無自覚なれど、どうしても目が行ってしまう。茶々丸、くーも意識はあるが、自覚的なものではないのかも知れない。
少し可哀想なのが刹那。彼女も大いに関心があるはずなのに争奪戦には一切参加せず、その後の表情は分からない。深読みすれば、烏族のハーフである彼女には自分の結婚と言うものに全く実感がないのかも知れない。さらに言えば彼女は自分の恋愛自体成し得ないものと考えているのかもしれない。今回も明日菜の行為をサポートしているが、明日菜の高畑への恋する乙女としての姿を見守っていた刹那の様子を思い出すと、彼女はまだまだ克服すべきコンプレックスが重いのでは、と思ってしまう。
そして、それの誘惑に打ち勝ち処分したのは明日菜。明日菜は以前から、自分の中のネギへの好意の位置付けについて考えざるを得ない状況にあった。その強みがここに来て出た感じ。いわば本妻の強み。明日菜のヒロインとしての貫禄を表したという点でも良いオチのつけ方と言えるだろう。
さて、次回以降、一体どの様な展開になるのだろうか。
いいんちょには本当に魔法はばれていないのか。
超が普通に登校してきていたり。
次回が全く分からないというのも実に久し振りだ。(^^)
・・・今週のジブリ(^^)
「所詮血塗られた道ネ」クシャナby超
「目がッ、目がぁああ!?」ムスカby千雨