「ネギま声優」が「ネギま!」に与えた影響

マンガ「ネギま!」の中で、一つとても印象に残っているセリフがある。
148時間目14P右下のコマ、刹那のセリフ。麻帆良大戦時にヒーローユニットとして颯爽と登場し、ゆーな達を助け、明日菜に声をかけられ返事をするシーン。
「いくよ 刹那さん」
「ハイッ アスナさん」
刹那のセリフとしてごく当たり前のセリフのようにも思えるが、これを見た時少なからず衝撃を受けた。
と言うのも、このセリフがどうしても小林ゆうの声でしか聞こえてこない。
実際、刹那は「ハイ」と答える事はあっても、今までこのように「ハイ」のすぐ後に相手の名前をつけて返事をするような、より生真面目な対応をしていただろうか。
小林ゆうのキャラクターは強力だ。人一倍(十倍?)生真面目で果てしなく天然系。一度その人格に接しただけで強烈な印象を残す。この対応は小林ゆうのオリジナルなキャラ付けが原作にフィードバックしているのではないだろうか。原作マンガに描かれたものがそのキャラの全てであり、こう描かれた以上それが刹那の性格だとすればそれまでだが、どうしてもそこに小林ゆうの影響を感じてしまう。
このセリフを見た時、「あっ、キャラが声優に取りこまれたな。」と思った。実際に影響による変化があったかどうかは分からないが、少なくとも受け手としてはそう感じてしまうのである。
そして、改めて他のキャラを思い返して見ると、これを代表例として他のキャラもやはり少なからず声優からの影響を受けているように思う。
また、この事は半ば公認として、赤松健自身も「ネギパ!」などで語っている。(6巻「木乃香の性格は野中藍さんに侵食されている?」など)
ネギま声優」は、すでに「ネギま!」キャラの血肉となっている、と言って良いだろう。声優が決まって3年以上、アニメになって2年以上、「ネギま!」は、「ネギま声優」のキャンペーンの力によっても、新しいファンを獲得し、より多くの人気を得てきた。両者はもう切っても切れない間柄と言える。
今回のイベント「ネギま!?Princess Festival」では、「ネギま声優の卒業」として一旦終止符が打たれた形になった。アニメ「ネギま!?」はもうすぐ終わる。それに伴い今まで途切れず行われてきた声優のキャンペーンイベント等も一時停止するのだろう。だが、これら「ネギま!」と「ネギま声優」の深い関係性という事実がある限り、これを安易に御破算にするような決断が出来るはずが無い。
そして、マンガ「ネギま!」はこれからも続く。麻帆良学園の一年間を描くのだとすれば、未だ終了まで1/3にも達していない。この後、まだまだ様々な展開が待っているに違いない。その中に声優を使った展開が無いはずはない。今はまだでも、将来の可能性として3度目のアニメ化ですら無くはない。
もしそうなれば、またいつかネギま声優達が集い、「大麻帆良祭」「Princess Festival」の再来とも言える大イベントを開催する事も夢ではないだろう。
その時は、決して遠い未来ではない、と信じている。