ネギま!実写化について

この噂、ネットでみる限り、かなりの反発を受けている様だ。
まあ、それは当然。漫画、アニメという2次元でネギま!に親しんで来た者としては、その枠内の快楽になれきってしまっているので、「アイドル」=「生身の人間」という枠外の要素をぶつけられれば、それがかなりの苦痛として受けとめられるのは想像に難くない。快楽は反復によって生まれる要素もあるし、新しい事は何事も苦痛を伴う。
また、なにより声優の卒業に合わせた形で知られてしまったのもまずかった。まるで、新人が古参を追い出したかの様な印象を持たれてしまえば、古参=声優に思い入れを持っているファンとしては、反発せざるを得ない。
しかし、私はそれほど反発を感じていない。
その理由としては、ネギま!の情報量の多さを補う為に生身の人間を使うという方法は決して「無くは無い」と以前から思っていたからだ。31人のクラスメイトが好き勝手に喋ってかしましくやっている様子を描くのは、アニメでは困難でも実写ではいとも簡単に実現出来てしまうだろう。元々、クラスメイトの有り方がモーニング娘。あたりを意識して作られている事を思えば、原作者サイドも実写化は「もし実現できるならばやりたい」と思っていたのではないかとも思える。
生身の人間=アイドルの魅力は強力だ。二次元で様々な計算の上に成り立つような「萌え」を、アイドルは見た目一発で「色気」として表現してしまう。
また、例えば、各タレントが自分の受け持ったキャラクターについて認識し、それぞれが自分なりのクラスメイトを演じれば、それはそれで「実写版ネギま!」として完成してしまう。それは、作画が付いてこなければ、声優は演じる事すら出来ないアニメとの大きな違いだ。
魅力的で情熱の有るタレントさえ揃える事が出来れば、それなりに見られる「ネギま!」が、結構簡単に出来てしまうかもしれない。
後は「ネギま!」らしい世界観の奥深さを、どの程度再現できるかという点だが、それはあまり期待しないほうが吉だろう。放送尺の問題や、予算内の特撮技術などを考えても、あまり多くを望んでもしかたない。けれども、最近は特撮技術も進歩しているので、キャラの魅力が確立できれば、案外「アニメ版よりもネギま!らしいんじゃない?」などといわれる事もあるかもしれない。(希望的観測)
過去の事例を挙げておこう。
2002年の作品で「鋼鉄天使くるみpure」(愛称「ポア」)というアニメ原作の実写化ドラマがあった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8B%BC%E9%89%84%E5%A4%A9%E4%BD%BF%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%81%BF

本作品は、放映開始時に見られた、正視に耐えない、映像による暴力だ、などといった声とは裏腹に、放映を重ねることで徐々に各方面のオタクから許容されるようになったほか、端々に挟まれる本物の中学生によるお色気シーンが功を奏したこともあり、概ね好評なうちに放映を貫徹している。

ネギま!実写化も、ポアと同じような推移を辿るような気がする。いや、31人を揃えなくてはならない「ネギま!」の場合、企画規模も相応に大きくなるはずだし、これよりもよっぽど良い結果になる可能性はあるだろう。
もし、実写化が実現するのならば、役を受け持つアイドル達には「ネギま!」に、そのキャラに、愛着をもって貰う事を強く願う。それこそが、作品成功への唯一つの道だからだ。炎上しちゃった子は大丈夫だろうか。嫌わないでくれると良いが。
・・・
寺門仁美がまた声優で活躍する所を聞いてみたいなあ。