ひとひら 1話

この作品の力はひとえにヒロインの特異性にあるだろう。「極度のあがり症」という設定が実に生々しく描かれていて面白い。あがり症というよりも視線恐怖症と言うべきか。それに加えて妄想癖も持ち合わせている。そんな彼女が演劇研究会に入ってしまうという落差が最初の単純な面白みなのだろうが、その裏には結構明確な計算も成されているのが見て取れる。彼女のあがり症という特性と表裏一体となる女優としての資質を彼女に感じる事が出来、その才能の開花を予感させる作りがなかなかに上手い。じっくりと作って欲しい作品だ。