変身呪文としてのアデアット 〜「ネギま!」変身魔法少女モノへの道〜

173時間目において、パクティオーカードのメリットについてかなり面白い追加記述があった。
木乃香のセリフによると、カードのオマケ機能として「好きな服が幾つか登録できる」らしい。これによってパクティオーした者は、いつでも魔法によって変身できることが判明した。これは言わば「ネギま!」が「変身魔法少女モノ」に進化した、とすることが出来るかもしれない。漫画の見栄えから言っても、結構大きな追加事項に思える。
元々、カードを使ってアデアット(「来れ」)と唱える呪文は、単にアーティファクトを呼び寄せるものだった。それに対し、衣装関係の効果が初めて表れたのは木乃香パクティオーした時。(52時間目)当時はこの衣装に対して説明が無く、この服もアーティファクトの一部であろうと推測されていた。
その理解が覆されたのは、ずっと後の136時間目。アーティファクトはあくまで扇であり、衣装は付属品的なものらしいという事になった。そして、この時他に説明されたアーティファクトは、夕映の「世界図絵」とパルの「落書帝国」であるが、この二つのアーティファクトも衣装が追加されており、この衣装も付属品であろうと思われた。この頃からアデアットは、既に一種の変身呪文になっていたといえる。
しかし、これらの衣装がアーティファクトとセットの付属品だとすると、実際には使い勝手が悪い場面もある。この頃、つまり超戦の時は、衣装の付属のある者はアデアットした際、結構律儀にその衣装を着込んでいた。しかし、違う服を着たい時、もしくは実際に着た際、その衣装はどうなるのか。事実、超戦の終盤、木乃香は別のコスプレをしながらアーティファクトを使っている。(160時間目)この時の衣装は一体どこにいったのか。172時間目においても、パルと夕映がメイド服のままアーティファクトを使っている。
これら、今まで今一つ釈然としなかったアデアットと衣装の関係が今回の設定によってかなり明確になった訳だ。
今回のパクティオーカードの追加機能を簡単に言うと、おそらく「自動着せ替え能力付きクローゼット機能」と思えばよいだろうか。
アデアットで表れたアーティファクトが「発生した物」では無く「取り寄せた物」であることからも、衣装も決して無から生み出さているものではないだろう。木乃香、夕映、パルの衣装は、たまたま最初からそのクローゼット(亜空間か?)に登録されていた物が表れただけという事。木乃香のセリフからすると他のカードにもこの機能だけは備わっているらしい。
そして、その「着せ替え能力」は、どうやら「今着ている服を仕舞う」機能や、「他人の服を着替えさせる」機能でもあるようだ。だから、173時間目の描写で、木乃香がメイド服から一瞬でナースコス(麻帆良大戦時に着ていたもの)に変身したり、刹那も一瞬でその木乃香が着ていたメイド服に替えられたりしたのだろう。(刹那の着替えシーンはコマ間なのではっきりした事は分からないが、この温室内でいそいそと着替えたとは思えない。)
なにはともあれ、パクティオーした者は、一度衣装を登録してしまえば、瞬時に様々な衣装に着替える事が出来るようになった。これぞ正に、「変身魔法少女化」と言ってよいだろう。
もしかしたら、2度と見る事が出来ないと惜しまれていた麻帆良大戦時のコスプレ衣装も、木乃香以外の者も登録し、再度登場する事があるかもしれない。
コスプレ女王のちう様も、パーチャル内での万能コスプレ能力に浮かれている場合ではないだろう。