魔法少女リリカルなのはStrikerS 6話

一つの事件を片付け、また訓練の日々に戻る六課。やっている事は同じでも面白く見れてしまうのは、やはり物語に方向性が出てきたからだろう。訓練内容についても以前とは違い各キャラの特性が分かるような描写で構成されている。この訓練が後の活躍として描かれる事を想像するだけでうれしくなってくる。
また、新人達の会話シーンも描かれ、彼らの互いの関係もおぼろげながら見えてきた。実はこういう些細な描写が欲しかったのだ。「リリカルなのは」という物語は「互いに思いやる者達の物語」だ。無印にしろ、A’sにしろ、人が人を思いやる所から物語が動き出した。それを思えば、機動六課の物語と言えるStrikerSでは、彼らが部隊としてどの様な関係を築いているのか、それこそが最も重要な要素といえるだろう。それがおざなりになっていたので、いままでどこか空疎な感じがしていたのだ。次回以降もこのような描写をふんだんに取り入れて欲しいものだ。
ここで語られるエリオの過去。前回の引きと合わせて考えても、彼がこのシリーズのキーパーソンになる可能性は非常に高いだろう。また、彼とフェイトの関係の一端が語られ、そこからフェイトの過去に想いを巡らせる展開に。もうそれだけで涙腺緩むしw。
そして、かなり明らかになった黒幕の存在。次元犯罪者が関わっており、それも生体改造、生命操作研究に異常な情熱と技術をもっているとの事。プロジェクトフェイトに興味を持っていたのも、同類項の実験に携わっているから、という事だろう。そして、レリックを集めている理由は、「レリックウエポンの実験体」と呼ばれる者達を誕生させる為らしい。言葉からすると、それは「レリックを動力源とした巨大な力を持つ(人造?)人間」と思われる。仮にも人間の姿をし、どうやら感情もあるらしい彼らを、武器として作っているあたり、かなり邪悪な存在であるといえるだろう。そして、ほのめかされるフェイトやエリオとの関係。より深い哀しみに立ち向かう物語になりそうで、期待も高まってきた。
なのはとヴィータも、長い年月を経た関係として描かれていて良い感じ。ヴィータがなのはを思いやるのは、なのはがこの世界において「得難い至高の存在」として認識されているからだろうか。そんな事を考えると、すでになのはの存在は「女神様」の領域にすら達している感じ。そんな存在がこんな新人の教育につきっきりである所に隠されたギャップがあるのかもしれない。それは、この10年間のなのは達の活躍が明らかになればはっきりするのだろうか。その辺の描写もしっかりやってくれる事に期待したいものだ。