ネギの抱きつき癖を考える

ネギは、眠っているとき人に抱きつきたくなる、という癖を持っている。
これは、72時間目などでは明日菜との淫行疑惑になるところだったし、180時間目においてはクラスメイト達が大バトルを繰り広げる事にもなった、性質の悪い癖だ。w
とはいえ、これらはネギの意外に子供っぽい甘えとして、悪意の無いちょっとお茶目な癖として、コミカルに描かれている。
しかし、この抱きつき癖は、少し考えると気になる癖でもある。
なぜネギは、この抱きつき癖がついたのか。それを考えるため、ネギの生い立ちを思い返してみる。
まず、ネギは5歳までほとんど家族の温もりを受ける事が出来ずに育ったらしい。ネカネという、ネギにとって母にも近い存在も居たが、彼女はまだ年若く違う街で学生をしていた。
そして、5歳の時「あの事件」が起きた。
その後、ネギは村を離れ、ネカネの住む街で学生生活を送った。その間、ネギはネカネと同居し、一緒に眠っていたらしい。それはネギが日本に旅立つまで続いている。
ネギの抱きつき癖は、当然その抱きつく相手が居たからこそ付いたのだろう。そして、その相手はもちろんネカネだ。
問題なのは、その時期だ。
ネギがネカネに抱きつけたのは、5歳以下の甘えたい頃の幼児期ではなく、「あの事件」を経験した後なのだ。
「あの事件」=ネギの村の悪魔襲撃事件は、ネギとネカネ以外の者が石化し全滅するという悲惨なものだった。それを目の当たりにしたネギは、幼児だったこともあり、精神的に非常に強いショックを受けたに違いない。
その後のネギが、ただ単に人に甘えるため抱きつくような、精神的な余裕があったとは思えない。
強いトラウマが引き起こす不眠症や悪夢に負けないため、必死に助けを求める行為として、ネカネに抱きついて、いや縋り付いて夜を過ごしていたのではないだろうか。そして、そんな夜を繰り返している内、徐々に悪夢なども見なくなり、やっと子供らしい甘えとしての抱擁に落ち着いたのではないだろうか。けれども、それが抱きつかないと落ち着いて眠れない癖として残ってしまったと考えられる。
ネギの抱きつき癖は、10歳の子供としても少し子供っぽい癖のような気がする。しかし、それにはそれなりの理由があるのかもしれない。