実写版ネギま!の演出意図は、素晴らしい。

この作品、結構ナチュラルに楽しみにしていた。
「あの」アニメシリーズ2本を越えてきた後で、今更「原作のイメージ」云々を言っても仕方の無い事だろう。出来が悪くて元々だし、実写であればアイドルの初々しい演技も見ることが出来るのだから、充分おつりが来るだろうと思っていた。
この際、原作ファンである事は、むやみにシナリオの矛盾とかを意識しないですむ利点になりうる。元の設定は充分知っているのだから、「あれがどうなる」とか、画面に現れた情報を一々認識していく必要が無い。ただ映像そのものを楽しむ事が出来る。
ある意味、20分以上の長さの「ネギま!っぽい」アイドルプロモーションビデオを見るようなものだ。
これって「ネギま!」ファンにとっては最高に嬉しい事なのではないだろうか?
だって、これに似たようなことをニコニコ動画などでは素人が「ネギま!で、もってけセーラー服」とか一生懸命にやって、それを楽しんだりしているわけだし。これだけ堂々とネギま!で遊んでくれるのだら、嬉しくて仕方が無い。
で、第1話を見た訳だが、これがなかなか素晴らしい。
というのも、演出意図が実に明快だから。
まず最初に、若月さら演じる明日菜が登場した時、何をしたかというと、「パンチラ」。そして、その後パンチラしそうなほどの勢いで全力疾走を続ける。この辺りの展開はとても健康的な色気で、決して陰湿な感じではないのが良い。女の子の魅力がとてもよく出ている。
そして、その後の展開では結構沢山原作にあるシーンをはしょったりするのだが、その意図は明らかだ。
つまり、残されたエピソードのほとんどが、アイドルたる女の子達の魅力が出るシーンに繋がっている。
明日菜への魔法ばれシーンは、当然「熊パンチラ」へ。
明日菜といいんちょの喧嘩は、なぜか教室のど真ん中で制服を脱ぐまり絵のレオタードへ。
寮のシーンは、部屋着の明日菜とネギのカラミへ。
進路指導室は、当然しずな先生の色気爆発へ。
ほれ薬も、やはり女の子達にもみくちゃにされるハーレムシーンへ。
図書館へ逃げ込むと、のどかからの積極アピールで半キスへ。(このシーンの唇演技が一番エロかった(*^^*))
そして、明日菜とネギの、嬉し恥ずかし告白練習シーンへ。
どれも、原作どおりの流れ(一部違うけど)だから当然のようだが、はしょられたシーンのその意図を考えてみると、このような嬉しいシーンに繋がらなかったり、繋がっても同じ事の繰り返しになるのを避ける為なのが分かる。設定説明をはしょってでも、女の子達の魅力を引き出す事に気を配っている事が明白だ。
これって、正にPV的な作り方だろう。
それでよい。背景もネギま!世界になるよう、それなりに力を入れているようだし、充分「アイドルによるネギま!PV」になっている。正に期待していたものだ。
演技力には若干難があるが、それは逆に初々しさを楽しめばよい事だし、今後向上する可能性は充分有る。というか、その向上する姿を見る事が出来るのも、生身の演技者を見るときの楽しみの一つだ。
これからも、「ネギま!は萌えオタのバイブルだ」とばかりに、無駄な設定説明とか物語展開とかはどこかにうっちゃって、ネギま!的な雰囲気の中、ただただ女の子達の魅力を引き出す事に腐心してもらいたいものだ。