実写版ネギま!第2回 〜実写版ネギま!のシナリオ構成も、決して侮れない!?〜

明日菜は基本的に早起き。明日菜を連れて空を飛ぶのは難しい。いきなり、設定違いが二つ登場・・・、いや、これくらいじゃ、くじけないよ?w
というか、「ネギま!」におけるかなり重要な設定変更がされていたのには驚いた。ネギはクラスメイト達に積極的な好意をもって受け入れられているわけではないらしい。ある意味空気。まあ、それだからこそクラスメイト達が各自、自分勝手なことをするのでその個性がわかる。
というか、これはかなり考えられた設定変更ともいえる。
原作「ネギま!」のテーマは何かというと、実はあまり明確ではない。ネギ個人の当初の目的は立派な先生になる事だが、決してそれだけが描かれているわけではない。各クラスメイト達の魅力を描く事と、ネギの成長、その二つが柱にあって、長い連載において様々にテーマを分散することが出来るほどの広い世界観も存在する。
ネギの先生稼業は、クラスメイト達に好意的に受け入れられた時点で半ば達成しているといえる。もし、それ以上を望むならば、ネギには「年上の少女達から立派な先生として認めてもらえるよう人間として成長する」という、10歳の少年としては絶望的なほど困難な命題が残っている。この「人間としての成長」をたかだか1年間の赴任期間で達成するようなドラマを描くとなると、それは相当濃い物語にする必要があるだろう。その濃いドラマを描く為に、「ネギま!」のテーマはあえて大雑把に、元々幅広く設けられているといえる。
当然、そんなドラマを2クール程度の尺で描けるはずも無い。(この事は、アニメ第1作で大きくドラマのバランスを崩した事とも関連がある。つまり、大きなドラマが何の為にあるのか見失っていた。)
おそらく、この実写版においては、より軽い「ネギがクラスに認められる」という事をテーマに据えていくのではないだろうか。それだけならば十分まとめる事が可能に違いない。あえて、ドラマのハードルを下げる為、その物語にとって重大な設定を変えるという事は、その物語の本質を理解していないと無理なはず。つまり、この物語は「ネギま!」に充分理解のある人間によって描かれている、と考える事が出来るわけだ。
今回のシナリオも、表面に有るモノと裏に流れる本質という二重構造をもったシナリオとして、それなりにまとまったものだった。実写版ネギま!は、シナリオ構成面でも、決して侮れないと言えるだろう。