Junko Iwao Live2007 〜be natural〜 ランドマークホール

東海道線は台風の影響でまともに動かず。なんとか横浜にたどり着く。
新曲発表ライブということで、どことなく特別な雰囲気。実際にこの日の映像を残す為に、しっかりとしたカメラも入っていた。
曲の構成は自身のレーベル曲を発表順に辿ってみたり、新企画の発売予定アニソンCDにちなんで懐かしい持ち歌アニソンを歌ったり(「残酷な天使のテーゼ」も持ち歌の一つと捉えてよいだろう)、いつもどおりの童謡コーナーがあったり。そして最後には新曲の発表と、かなりバラエティーに富んだ構成だった。
アニソンCDの題名は「アニメ イン ボッサ」とか。まだ入る曲は未発表。歌われた曲も実際に入る曲かどうかは濁していた。とは言え、以前から希望していた企画だけに実現して嬉しい限り。岩男潤子のアニソンの財産は、そのままにしておくのは絶対に惜しい。出来れば、ゲーム曲などにも良い曲が多いので、対象にして欲しいもの。
また、後日この日の映像はDVDとして発売されるとか。岩男潤子の魅力はライブにある事ということから考えると、これも暫くぶりに実現して嬉しい事だ。
一度は色々な意味で「どん底」にあった彼女だが、着実に再生へと向かっている事がわかり嬉しいライブでもあった。
新曲は、楽しいの、荘厳なの、どん底なの、といろんな面を見せていたが、一番良かったのは「どん底なの」の「夜をこえて」。男の子口調のこの歌は、あの発表当初物議をかもした「僕を笑って」につらなるな感じの曲。岩男潤子の中では、自身を見つめなおすような時に男の子の自我が顔を出すのが面白い。歌い方も特徴的で、今の岩男潤子の声に合っている感じだった。
今回のライブは、イベントとして完成度の高いものだったように思う。
けれども、どこか物足りないような気もする。それは岩男潤子の「声」にあるのだろう。テクニックを駆使して、魅力的な歌声を作り出してはいるものの、以前のライブにあった「奇跡的な」歌声を今はもう聞くことがない。強く瑞々しく荘厳な歌声。ある時出ていた声の掠れが過労による一時的なものなら、少し休んででもそれを取り戻して欲しいと思っていたのだが、今の彼女のスケジュールはそれを許していない。休んで欲しいという強い焦りと同時に、これが定着してしまうのかと寂寥感も感じてしまう。
彼女がどの道を取るのか、いや取らざるを得ないのか、今はただ見守るしかないだろう。