魔法先生ネギま! 196時間目 ニューヒーロー登場!!

ついに始まる拳闘士大会。ネギとコタローはタッグを組んで第一試合に参加する。相手は、ランキング上位のベテランコンビ。かなりの実力の持ち主にもかかわらず、ネギ達は危なげなく、これを撃破する。
それにしても、この魔法世界、本当に謎だ。あのとさかチンピラが「ローマ」を引き合いに出したり、大会が「ミネルヴァ杯」(ミネルヴァはローマの女神、ギリシア神話のアテナに相当する)だったりと、明らかに現実世界のローマ文化の流れが存在する。つまり、人間世界の文化の影響が在る。魔法世界の起源は不明とは夕映の言だったが、やはり基本は人間世界からの移住が文化の源なのだろうか?魔法世界と人間世界の交流は希薄に感じられるが、まさかローマ時代の移住者の文化がそのまま20世紀もの間継続している訳でもないだろう。例えば、このグラニクスのある地域は、人間世界からの移住者がローマ文化かぶれでローマ式に作った都市なのだろうか。
戦いは結構本格的に描かれ、なかなか面白い。今後の戦いも「武器・魔法が使用可能」との事なので、バラエティに富んだ試合が期待できるだろう。
そして、ネギの爆弾発言。自身をナギという名前で名乗り、ナギ本人ではないとしながらも、ナギとの関係を(もしくは本人として)誰もが意識せざるを得ない状況を作り出す。
ナギは、この魔法世界における、全世界的な救世主のようだ。このネギの名乗りあげは、正にネギ自身の、魔法世界に対する「宣戦布告」にも等しいだろう。
ネギには、元々の目的として亜子達を助けるという至上命題があったはずだ。けれども、名乗りを上げる際、ネギは熟考する。今、この亜子達を助けるというその目的だけに時を費やしてよいのかという、より高い視点からの思考がそこにはあるのだろう。この一瞬にも、「魔法世界全体に」ばら撒かれた他のメンバーの動向は掴めていない。ネギとの繋がりは絶たれている。そんなメンバー達と一刻も早く繋がりを持つためには何をする必要があるのか。「魔法世界全体に」影響を与えた存在、ナギの名前を使う事。それこそがネギに今出来る最大の事だろう。
ネギは、未だナギに匹敵するような巨大な魔法行使能力は持ち合わせていないのかもしれない。けれども、ネギには知恵がある。その知恵によって超との戦いも凌いできた。今回のネギの作戦は、正に「ネギとして」行使すべき、「ネギだからこそ」の作戦といえるだろう。
しかし、この事は、魔法世界にとってどのような波紋を投げかけるのだろうか。もしかしたら、魔法世界の今後を左右する、とても大きな出来事だったのかもしれない。
そして、その中心に居るのは、我等が「ネギま!」の主人公、ネギだという事。今後の魔法世界編は、魔法世界全体の動向も併せて見守る必要があるだろう。物語は、「異世界」という設定を提示しただけでなく、その設定そのものを巻き込んで動き始めたという訳だ。さすがは赤松健、実にラジカルな展開だ。今後のネギの活躍を、その結果としての魔法世界の変貌を大いに期待して、見守る事にしよう。