魔法先生ネギま! 198時間目 命を賭けた決闘!!

うわ、本当に内容薄いかもw。まるで一歩のように読めちゃいそう。
自分の足りてない部分について悩むネギ。回想では、コタロにしつこく聞いて、かなり辟易させているようだ。ネギは考え込むのが大好きだけれども、コタロは考えに捉われるのは大嫌い。コタロは、ネギの一度気になったことをとことん追求する性質を理解しているので、一度ははぐらかしたり、それでも駄目と悟るとしっかり答えてあげたりしている。これはネギがコタロに心を開いている事を表すシーンといえる。
ネギは、学校の先生として、クラスメイトに対してはこのような「甘え」は見せない。ある意味「執着心」といえるほどの自分のしつこさが、人にどう思われるかを理解しているからだろう。けれども、ネギは本来このようなしつこい性格であり、それによって現在の才能も形作られている。正に「秀才」の典型ともいえるだろう。(そういえば、今回「超サイヤ人」的な描写wがあったが、天才の悟空に対して、息子の悟飯は正に秀才肌だった。ナギとネギの関係はこれと同じだ。)しかし、物語上あまり多く描かれることが無く、読者にも、クラスメイトと同様、この事を意識させないようになっていると思われる。
そんなネギに対して声を掛ける大男。この人は明らかにあの写真の人物だろう。金にこだわる(汚い)ところからも、ナギとは傭兵と雇い主との関係だったのかもしれない。戦争が終わった後にナギの周囲に彼の姿が見えないのも、そのようなドライな関係だったからだと思われる。とは言え、その力を頼みとして、より深い関係も築き、「仲間」「友人」としての関係もあったのだろう。
ともあれ、ネギを次のステージに導く存在として、彼ほどの適任はいない。ネギの師匠として既にエヴァがいるが、彼女は魔法使いであり、なにより、ネギの父であるナギを想う女性だ。どんなに厳しく指導しようとも、メンタルの面で、ネギに対してより深く踏み込む事が出来ない所があるだろう。とは言え、クウネルなども考え込む性質のネギにとっては相性が悪い。「本物」の強さを持ち、男であり、戦士でもあろう彼は、ネギが戦士としてのメンタルの面で大きな壁にぶつかっている今、正に必要とされている人物と思える。
そして、突然襲われるネギ。高音と同系列の技を持つその敵は、あくまでネギを技量試し、もしくは名を上げるために狙ってきたようだ。千雨が心配している、恨みで狙っているわけではない。
けれども、その戦いはあくまで「命を賭けた決闘」「本物の殺し合い」だ。その事に気付き、笑みを浮かべるネギ。
そう、これこそがネギの本質なのだろう。
千雨もおぼろげながら気付いている。自分に危険が及ぶ事は問題視しない。そして、偏執的なほどの執着心もこれに関係している。
ネギの行動原理は「強さへの執着」だ。そして、その為には自分の命すら問題視しない。それは、ネギという人物がどんなに優等生的な人間であっても、決してほめられた人物ではないといえる、大きな「欠陥」だ。特に「自分の命の軽視」は重大な心の欠陥といえるだろう。これがあるからこそ、様々な面で優先順位が狂い、それが例えば「クラスメイト達の危機」にも繋がってしまう。ネギはこの事に心を痛め悩みもするが、それを修正することは出来ない。なぜなら「それが僕」だからだ。
今、ネギの行動に巻き込まれて、クラスメイト達が大変な目にあっているが、それは正にこのネギの性質の引き起こした結果だろう。ネギが悩みながらも、クラスメイト達に何も出来ないでいる事について、不快を感じる事もあるが、それもネギという人物の一面と言える。クラスメイト達は、特にネギメンバー達はその事を承知でネギをサポートする為についてきているのだから、ここはその顛末を黙って見届けるしかないのだろう。ネギのこの性質がクラスメイト達を巻き込んだという今回の出来事が、どのように彼の「欠陥」を変えていくのかという事も、今後の物語として語られていくに違いない。期待したいものだ。

それにしても、クラスメイト達の危機という「痛み」を描き、それによってネギに対する不快感が集中する事を見越して、改めて「ネギの本質」を描くシーンをここに持ってくる赤松健の構成は凄い。この事実を理解してしまうと、ぐうの音も出なくなってしまう。
今回は、少ないながらもクラスメイト達が一人でいる時の可愛い描写が。
千雨は、ネギの本質を認識し、「バカ」と言いながらも心配顔。彼女にして保護欲のような物を感じさせる。その後のネギの危機に対して、幼児として慌てる姿もラブリ。
亜子は、一人でいるとき、それも恋愛がらみとなると、かなりのめりこむようだ。普段の優等生的な大人しい彼女より、素が現れていてとても可愛い。
で、ネギの決闘の決着の方は、どうやらネギの「重傷」で終わったようだ。高音の技にして「絶対防御」というものがあるのだから、対策の無い接近戦ほど無謀なものは無いだろう。防御で動きが止まった所に相手の攻撃が集中する事になりかねない。どのような顛末になっているのやら。
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大男は龍宮の生き別れの父、カゲタロウは高音の不肖の兄、という事で、FA?