魔法先生ネギま! 207時間目 勝機ゼロ!!?

なんだか、凄いバランスだ。
前半のネギパートは、それこそ生死を賭けた辛い試練の真っ最中。
そして後半は今までの伏線が生き、やっと仲間達が集まってくるほっとする展開。
実際に物語が動いているのは辛すぎる前半だろう。そこに、仲間の安否確認という明るい話題をぶつけて、その辛さを鈍らせている。
実際の所、このネギの試練の現場に立ち会う千雨の気持ちを考えると、居た堪れなくなる。それこそ、一人の少年の命、人生、その他諸々が自分の判断にかかっているのだから。

「男の決断はいつだって命賭け」とはラカンの弁。まあ、それはネギにとってもそうだろう。普段のネギならば、このような選択を迫られた時、「僅かな勇気」を示して果敢に向かっていったかもしれない。
けれども、実際にはそうもいかない。ネギは、今や沢山の仲間の命を預かる身なのだ。世界に仲間達が放り出されている今、ネギが自分の賭けを優先する事は、仲間の命も賭けてしまう事になる。今回のネギの決断は、ラカン、ネギ、千雨の一人ひとりの一寸した認識のズレでなってしまった事だろう。
早い話、ラカンは物語を展開させたい作者にとっても都合の良い存在というわけだ。

  • 始まりの闇

エヴァの言う「闇」、その意味を推測する事は案外容易そうに思える。ネギが「既に知っている闇」とは、つまり「あの冬の日の事件」の記憶のはずだ。あそこで何が起こったか。ネギとネカネを除いて、全ての村人が殺された。(実際には石化であり、復活の可能性は残っているのだが、それを長くネギは知らなかった)ネギにとって村人の全滅は「彼を形作る全て」といえるほどに彼の性格に影響を与えている。
ならばネギの「既に知る闇」とは、つまり「死」そのものだろう。「全てを飲み込む始まりの闇」とは、正に「死」を意味している。
「死への恐怖」「殺した事への恐れ」(ネギは村人の死を自分のせいであるかもしれないと思っている)これらは、ネギの心の奥底に強く深く存在するものだ。それで居て、ネギ自身は「自分の死」に対して、怯む事が無い。ネギにとって「死」とは、実に近しい存在と思える。ネギが「闇に適応がある」といわれる所以だろう。
ただ、それが「闇の魔法」とどう係わるのかは不明。ファンタジー設定として、実に興味を引く所だ。
・・・全然違ってたりしてw。

一瞬、実在になるエヴァ。その瞳に宿る色は、慈しみとも、悲しみとも、諦めともとれる、深く透徹さを感じさせるものだ。これは、ネギに向ける視線というよりも、ナギに対する視線に近い。エヴァは、あの時アルから、一体何を聞いたのだろうか。ただ単にネギの事を聞いたのか。それとも実はナギの消息について、何か聞いていたのではないか。色々と想像をめぐらせることが出来る、そんな表情だ。

  • 朝倉調査隊の動向

既に漢字名の都市群を過ぎ、アル・ジャミーラに向かう飛行鯨の中のようだ。当初の計画通り、茶々丸が見つけて朝倉の力でさよが現地に向かうというベストな展開に。
何はともあれ、朝倉のみせパンおなか丸出しルックはやばいくらいにロリエロいw。もしやこれは、行き過ぎる児童ポルノ禁止法改正への反逆的抗議行動かw。
茶々丸もロボにしてロリ幻術のはずなのに、アイス食べたり耳が動いたりと、妙に動作が細かい。アイスや本当の耳はどうなっているのか、気になって仕方ないw。
さよは最近性格が激変。小さいながらも自由に動かせる体を持ったことにより、まるで生まれたばかりの小動物のように、明るく元気に行動している。「精神は肉体の影響を受ける」とのエヴァの弁は、彼女自身が骨身にしみて分かっている事だろう。

  • 澄み切ったイエロー

そして、見つけたのはくー老師。くーは、見渡す限り無人の渓谷にただ一人、人知を超えた拳法の修行をしている。その澄み切った瞳は、学園に居た時とは比べ物にならないほど、鋭く、厳粛な印象を与える。武道が人の心を形にするものならば、世界を相手に戦い続けた「親友」との出会いと別れは、くーの心にも大きな影響を残し、それが今、彼女の力になっているように思える。
この果てないほどの自然さえ、今のくーにとって広すぎる事は無いのだろう。なぜなら、彼女の目線は常にこの世界の外、遥か未来の彼女に向かっているのだから。
どんなにおちゃらけた態度を残していても、今のくー老師には、そんな底の知れない心根を感じる事ができる。彼女が辿りつく「強さ」は、一体どのようなものになるのだろうか。

  • 合流大作戦途中経過

実質残っている未発見者はパルとアーニャ、そしてカモ。この三者は、ある意味まったく予想が付かない。アーニャは魔法世界に対して、魔法使いとしてそれなりのアドバンテージがあるだろうし、パルの図太さは折り紙つきだ。何より、彼女のアーティファクトほど、世間で生きていく上で扱いやすい能力は無いだろう。カモの悪知恵と上手くはまれば、とんでもない事が出来てしまうような気がする。
そして、やはり一番合流が懸念されるのは夕映になりそうだ。コタローも夕映の融通の利かない性格を見通して、不安がっているw。
合流作戦もそろそろ終盤だ。当初感じた困難さからすれば、案外早い展開と言えるかも。もしかすれば、この後は、合流より先に新たな波乱が迫ってきたりするのかもしれない。
月詠とかは、一体どこに行ったのだろう・・・