Go to the NEW STAGE! THE IDOLM@STER 3rd ANNIVERSARY LIVE パシフィコ横浜国立大ホール

いやはや、アイマスは「難しい」。
全く酷い話だが、未だにゲームとしてのアイマスには手を付けた事が無い。結局、ゲームをやる時間が無い上に、アーケード、360と、未だに敷居が高すぎるのが理由だ。コンテンツの魅力としては非常に強く惹かれているだけに、なんとも歯がゆい時を、無駄に長く過ごしている。
そんな訳で、声優系のイベントの機会は非常にありがたい。今までも、参加できるものは出来るだけ参加したいと思っていた。(こちらもかなり狭き門ばかりであまり参加出来ていないが。)
しかし、そんな中途半端な係わり合いをしていると、どうしても「歪み」が生じてくる。ゲーム中心のコンテンツなのに、その内容も分からずにCDとかを満遍なく追いかけるのは、かなり辛い。結局、最近のCDにはほとんど手を付けていない。その為、アイマスの最新情報は、勢い某動画サイトがメインという事になってしまう。
そんな訳で、ライブには、某ニコニコで話題になった曲には反応できるけれども、それ以外は基本曲くらいしか頭に入っていないという、ほぼ完全な「ニコ厨ゆとり野郎」としての参加となってしまう。
これは痛い。
ライブが終わった後に色々調べてみると、おそらくは、最新のバージョンで最も魅力的なセットリストを用意してくれていたという事がなんとなく分かってきたのだが、ライブ中には「どうしてこんなバージョンでやるの?」とか色々と疑問に思って、不完全燃焼名部分があったり。ゲームを追いかけ、CDを網羅し、ライブ活動に参加し続けてきたプロデューサーにとってみれば「今聞きたい曲」によって構成された、ベストのセットリストだったのかもしれないのに。そんな事に後で気付くなんて、正に「後の祭り」だ。
しかし、これは仕方の無い事だとも思う。やはりアイマスは「難しい」のだ。基本曲があり、新しい展開がある度に新曲が発表され、またバージョン違いも出続ける。そしてそれらは誰が歌ってもよく、様々な組み合わせが存在する。更には、アイマスというコンテンツの性格上、アイドルのカバー曲というコンセプトもあったりするし、動画サイト上などではアイマスに関係ない曲も、多くアイマスのキャラ達に「歌わせて」いる。これらの曲の増大、分岐は既にかなりのボリュームになっていて、一寸気を許すと何が何やら分からなくなってきそうだ。これらを空気の様に把握するには、やはりゲームをある程度やらないと駄目なのだろう。「ニコ厨ゆとり野郎」がライブを完全に楽しむには、アイマスはもう「難し過ぎる」のだ。
とはいえ、出演者達のパフォーマンスは徹頭徹尾素晴らしく、充分に楽しめるライブでもあった。各出演者達の歌やダンスや演技は以前のイベントに見たときに比べても格段に上がっていたし、そのボリュームも尋常では無いほどの数の曲を歌ってくれた。その意図が完全に分からない部分があったとしても、アイマスという豊かな「文化」に充分接する事が出来た訳で、大いに堪能した。
ただ、最後に苦言も少し。これだけのボリュームのライブであるのに、ステージそのものが貧弱すぎる。幅も狭ければ、高さも無い。ステージと観客の距離が近く、カメラのスペースすらない事は最前列の一部の客にとっては良い事でも、バックスクリーン映像が頼りの後方大多数の観客にとっては大いに不満。ステージのスペースが狭い為か照明も貧弱で、その演出のほとんどが画一的なものだったり。どう考えても、パシフィコのような大きなハコの舞台とは思えないものだった。これだけ規模を拡大させているのならば、出演者だけが頑張るのではなく、公演者全体が頑張ってほしいものだ。