第49回アニメスタイルイベント『カイバ』特集 湯浅政明監督の公開インタビュー! ロフトプラスワン

第2部から参加。題にある「湯浅政明監督の公開インタビュー!」の部分を聞き逃したという事になるのだろう。
このイベント、どうしても参加したかった。やはり湯浅監督は気になる存在だから。彼の映像は本当に気になるのだけれども、どうしてもあと一歩が物足りない感じ。その辺りの謎が解明出来ればと思い、監督の話を聞きたかった。
公開インタビューの部分が聞けなかったので、本筋を捉えているのか自信は無いが、今回参加して結構分かったような気がする。
監督は自身でも「絵さえ動いていれば自分は嬉しい」と認めている。それでいて作品が売れない事については「自分では面白いものを作っている自信がある」と強気の発言をする。これって、この時点で自家中毒に陥っているのでは無いだろうか。つまり、「絵さえ動いていれば面白いと思える人にしか売れない作品」を作っている事になる。それは自信を持って言うべき事では無いだろう。
更に、演出家の「脚本を直させない脚本家はバカ」的な発言を聞き流す。これはこれで熱い意見でもあり正しい部分もあるだろうが、一面危険な部分でもある。脚本は物語の設計図だ。そして、物語の設計に致命的な影響を与える直しがあるかもしれない。視聴者はなぜ作品を見るのか。ほとんどの視聴者は動きだけを楽しむようなマニアではない。多くが自分の心を感情移入させることが出来る「物語」を楽しむ為にアニメ作品を見る。湯浅監督の作品は、そのほとんどが致命的なほどに物語という感情移入のテクニックが足りていないと思える。物語を蔑ろにしていては、いつまで経っても湯浅監督は世間から受け入れられる事は無いだろう。
実を言うと、「カイバ」に関しては途中でレコーダーを壊してしまい、まだ最後まで見ていない。なので、えらそうな事をいえないのだけれども、物語導入部はやはり足りていない部分の多い作品だった。確かに、湯浅政明という個人が認められれば、非常に大きな評価を得られる作品であるとは思うのだけれども。
一度でも良い。少しだけでもミーハーな視聴者の方向を見た作品を作ってみたらどうだろうか。人の心を惹きつけるものは、案外些細なものだと思うから。