魔法先生ネギま! 227時間目 総力対決!! ネギ・パーティVS.フェイト・パーティ

赤松漫画も変わったなあ、というのが一番の感想。何がというと、月詠の立ち絵を見て。
赤松漫画でこのように欲情する少女など出てきたためしが無い。あっても「惚れた」とか「くすぐったい」程度だったと思う。更に言うと、少し下品な話になるが(このような断りを入れたくなるのも赤松作品だからかも)、ここでの月詠は明らかに「濡らしている」。こんな描写って、ありえない。だって、今までのネギまの世界は、「夕映のおしっこのアナ以外ついてなくても問題無い世界」のはずだったから。(ネギに付いているのは尻尾かも。まあ、破格の人ラカンには付いているがw)このシーンによって、初めて性的な器官の存在が描かれたと言っても良いだろう。これは、キャラクターをもう一段広く描く事になったのと同義だ。
後一つ、月詠に関しては赤松漫画のタブー破りがあると言える。月詠の「ノロイの目」描写は、「人を殺した事がある」という記号だろう。今回はそのセリフと共に明らかにそれを示唆している。まあ、魔法世界にきてからこっち、生きる死ぬの話ばかりなので、珍しい事では無いかもしれないが。それでも、月詠が「人を殺す少女」であれば、それはエヴァアスナの過去話とは違う、生々しい死生観が同じ少女であるクラスメイト達の中に持ち込まれても不思議ではないという事になるだろう。これも、ネギまの世界観を変える要素の一つと思える。月詠は、出てきた時から少し気になる存在ではあったが、これほどまでに意味深いキャラになるとは思わなかった。

  • ブリジットちゃん

彼女の事を随分と想像できるようになって来た。彼女の種族固有の能力からすると、どうやら彼女は植物の亜人らしい。立派な角も、もしかしたら木製なのかも。きっと髪の色は緑だろう。目を開けないのは、視覚の器官が無く音によって全てを知覚する種族だからなのかもしれない。だからこそ、彼女のアーティファクトは彼女の一部とも言える木製の楽器による音波攻撃になるのかも。
しかし、音波によって知覚する植物の亜人だとすると、本来の彼女は戦闘には向いていないようにも思える。音の伝達は光より遅いので、このような日中の戦闘は明らかに不利だ。なにより、植物の性質として諍いを是としないような気がする。彼女の耳とかから連想されるが、本来は平和的なエルフのような性質の持ち主なのでは無いだろうか。何が彼女をこのような戦いの場に向かわせているのか、気になるところだ。

  • 忍者コタロー

改めて、コタの楓への弟子入りは上手くはまっていたと思える。コタは元々分身の術を使えるなど体力系だし、それでいてイヌガミ使いなどの呪術は忍者との親和性も深い。実体を伴う分身とか、呪術としての影使い=影の転移という風に術が進化していくのも実に自然だ。
それにしても、コタローのメンタリティは本当に不思議だ。結局彼は女性を傷付けない。一体この信条はどこから来ているのだろう。生まれたときから狗族のハーフで一族からも嫌われ、幼い頃から汚れた仕事もして来たという。それなのに、そんな影を彼は一切見せない。それは、女性を傷つけないという信条とセットで、心の中に封印しているようにも思う。コタローは今のままでも充分「いい男」だが、どこか心に無理をしている部分があるのかもしれない。そんな部分があるのならば、彼の心の底を見てみたい気がする。

  • 刹那の戦い

いきなり烏族モードによる戦闘態勢に入る刹那。これはかなりかっこいい。彼女の翼が実は烏の翼であり、それも白烏の翼であるというのがポイント。彼女自身は、この白い翼を忌み嫌われたものと認識していながら、それでもそれを曝け出す。それは、ここ数ヶ月付いていた明日菜が意図せずにケアした結果だろう。彼女の翼には、そんな仲間への信頼の気持ちもこもっている。
そのような心構えで戦う刹那は、どう考えても最強のように思える。殺戮の快楽に捉われているバトルマニアなど、一蹴して欲しい所だ。

  • 新手

焔、アーニャに似ているなあ。同じ炎の使い手だし。ただ、焔は魔法というよりもファイアースターターとしての超能力者の感じ。その両者に違いがあるのかはネギま世界ではまだ不明だが。明日菜は初弾をどのようにして避けたのだろうか。見たところハマノツルギのマジックキャンセルのようだが、服に焦げ目が付いている。明日菜なら、魔法はもっと完璧に避けられるのでは無いだろうか。もしかしたら、単にアデアットによる魔法障壁だけで持ちこたえたのかもしれない。
焔がアーニャである可能性は、このシーンを見る限り、低くなった。それは明日菜が彼女を見ているから。明日菜の目ならば判別は一発で付くだろう。しかし、関係が無いとも言い切れない。意識操作で雰囲気がまるで違っている、実はアーニャの親族、未来のアーニャがタイムマシンで、捕らえたアーニャの個人データを取り入れたホムンクルス等など、可能性はいくらでも考えられるだろう。
そして、もう一人の敵、栞も明日菜に接触。彼女もまた、明日菜を姫と呼ぶところから、明日菜のマジックキャンセル能力を知っているはずだろう。という事は、それへの対策も考えているはず。明日菜はかなり危険な状況にいると思われる。

  • 実力差

フェイトは、曼荼羅のように無数の魔法障壁を展開する。これをネギは人間技じゃないと分析。これはもしかしたら、高畑が詠唱魔法が使えない事と繋がるのかも。
詠唱魔法が使えないという事は、もしかしたら魔法陣を展開出来ないという事と同義なのかもしれない。生まれつきで魔法陣を作れたり作れなかったり、それは魔法陣が人間の身体に内蔵されている魔法発動体によって展開されるものだからなのかも。それを様々な技を駆使して二重・三重に展開する事は出来るのかもしれないが、曼荼羅のように無造作に多重展開するなど、人間の限界を超えている、という事では無いだろうか。フェイトは魔法を使う事だけを目的に作られたホムンクルスと考えると、今まで彼の事を指し示した事柄とも繋がってくる。
対して、ネギの闇の魔法はガス欠に。これは一体どういう状態なのだろうか。ラカンはネギの闇の魔法を「相性が良すぎる」と語っていた。これはガス欠というよりも、闇が制御できなくなり、ネギが意識して解除したという事なのかもしれない。だから、ネギにとってここが戦いの限界というわけではない。しかし、これ以上戦うと、今のネギは闇の存在になってしまうという危険な状況なのかも。
何にしても、今のままではまだネギはフェイトに太刀打ちできない状況にあると言えるだろう。

  • のどか見参

ここでコタに連れられたのどかが登場、フェイトの真名を問う。コタ、後でネギに怒られるだろうなあ。しかし、このタイミングはかなり上手い。さすがは、思いの外判断力に優れたコタローだ。
なぜ、フェイトはこの様な陣形でネギと戦っていたのか。それはひとえに、ネギと一対一で戦いたいというフェイトの欲によるものだろう。それに付随して、アスナ確保という任務もあるのかもしれないが。つまり、フェイトは自身の従者を、あくまでネギとの戦い場に邪魔が入らない事を最優先で配置している。フェイトの気持ちはネギにだけ向かっている。その均衡が破れた一瞬に、最も効果的な手で切り込んでいくのは、絶妙な判断と言える。フェイトにしてみれば、ネギとの一騎打ちに余計な要素を割り込ませない為の方策を考える一瞬の隙が出来てしまうからだ。
コタローの実力も折り紙つき。この後逃げ切る事も充分可能と思われる。ここで、フェイトの情報を少しでも手に入れられれば、逆転の一歩に繋がるかもしれない。単に戦闘による勝利ではなく、戦略の勝利に繋がるかもしれないだろう。それほどまでにのどかというコマは重要なのだ。
のどかかっこいい〜。