新宿コマ劇場座長公演 水樹奈々 大いに唄う 新宿コマ劇場

どうせ当たらないだろうからと、一番確率の低そうな最終公演に一枚だけ申し込んだら、当たってしまった。これで運は使い果たしたな。
それにしても、水樹奈々は何なんだ。「ありえない」としか、言い様が無い。
このイベント、CD発売記念イベント、つまり無料イベントな訳だ。だから、当然それほど大きな期待もしなかった。CDの曲と、コマという事で、演歌の一つでも歌ってくれれば充分すぎると思っていた。だからこそ1口だけしか申し込まなかった。
しかし、蓋を開けてみれば、そのボリュームはトンでもない事になっていた。
まずは、CD曲。折角のコマ劇場との事で、回転舞台を使った「DISCOTHEQUE」。PVのダンスを再現、というかほとんどダンサーがやっていたセクシーな腰つきの動きを奈々がやるという完全版ダンスに悩殺。もう、この時点で帰ってもお釣りが来ると思えるくらいだった。
そして、ミッシーのMCがついたり衣装替えを挟んだりして、マキシの3曲+2の合計5曲。これだけやれば、CD発売記念無料イベントとしては充分だろう。
・・・しかし、水樹奈々は止まらないw。
考えてみればここはコマ劇場。水樹奈々自身が予てから自分の憧れの場所と言っていた所だ。つまり、この1日は、ある意味水樹奈々の為にある。彼女がここで何をしたいのか、という事を考えれば、おのずと答えが出てくる。「第一部」でやったような「いつもどおりのライブ」で済むはずが無いのだ。
そう、この後は「第二部」。幕間には「LIVE FIGHTER」DVD&BDの発売日発表とともにそのライブ映像が流れ、それだけで会場は大いに盛り上がる。が、その後、さらなる驚愕すべきステージが待っていた。

  • 水樹奈々座長公演「歌姫華仕置 疾風の奈々参上」

という芝居が第二部の正体だった。そして、それに競演するのは声優陣。それもトップスターと言ってもよい人たちばかり。杉田智和小西克幸沢城みゆき鈴村健一、そしてナレーションに若本規夫。どんだけ豪華なんだと。今年のTGS土曜日の声優イベントが若干薄い理由がここにあったのか、とか思ってしまうほどだ。
舞台は、芝居衣装を着て、スタント入りの殺陣も付いたしっかりしたもの。アドリブありありギャグ満載の芝居だが。沢城みゆきとは競演仲間として「オープンハート」とかやってたり。因みに、1・2回目はダブル・トリプルキャストとして別の共演者による別のやり取りもあったとか。沢城とは萌え声対決的な感じになり、奈々:「ご主人様」みゆきち:「おにいちゃん」とか。もうどうにでもしてくれ、という気分になってしまう。
舞台の物語は、名高い歌姫をかどわかそうとする3悪人に女スリ「疾風の奈々」として取り入り、最後に成敗したのは、実は歌姫奈々姫様だった、というもの。合間には歌も。芝居に合った「夜桜お七」。そして、締めとして奈々の十八番「河内おとこ節」も歌う。
一体全体、水樹奈々という当代一の人気声優が、どうやってこのようなボリュームの舞台を完成させたのだろう、とか思ってしまう。だって、舞台演技も殺陣も、彼女の本業ではないではないか。彼女の本業は声優と歌手の二本立て。その忙しい合間を縫って、1日3公演という規模で、それも無料イベントでやってしまう彼女の気力と体力に、驚きを通り越して呆れてしまうほどだ。
こうなると、もうヤバイ。今回の彼女のCD発売は、特典としてこのイベント観覧が当たるというものだった。それも、多く買って多く申し込むと、その分ちゃんと確率が上がるという方式で。その為もあってか、このCDは恐ろしく売れた。彼女自身最高の売り上げで、オリコンも2位。ミッシーによると、申し込み数は6000人の当選枠に、48000口あったというw。
そのやり方をあざといと思う反面、このような最高のイベントを開かれてしまうと、何も言えなくなる。だって、これならば例え5口申し込んでいたとしても(費用6000円也)全然安いと思うから。おそらく、ファンの中には複数買いした者も多かっただろうが、誰一人としてそれを後悔してないだろうと確信できる。次回、同じ様なことが有ったら、複数買いに走ってしまいそうな自分が怖い。
水樹奈々は当代一の人気アイドル声優だ。しかし、この企画を一つ終えたことで、更に磐石な体制を作ったと言って良いだろう。
水樹奈々の夢の舞台の実現というドリーム、そしてさらなる人気獲得への布石。二つのなかなか成し得ないであろう事を同時に実現させてしまう今回のイベントは、驚愕すべき、奇跡のイベントだったと思える。

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