くー老師の恋心はいつ芽生えたのか?

  • 恋の発覚

最新234時間目において、ついに、くー老師のネギに対する恋心が明らかになった。
戦力アップの為、他の白き翼メンバーからネギとのパクティオー、つまりキスを迫られ、可愛らしく恥じらいを見せるくー。戦力アップが必須のこの状況において、これは単なるキスする事への恥じらいではない。ネギに対する恋心を持ちながら、パクティオーの手段としてキスしてしまう事への戸惑いだろう。パルに図星を指され慌てまくる事に。
ネギとパクティオーしたクラスメイトは、既に明日菜、のどか、刹那、木乃香、夕映、パル、千雨、朝倉、そして今回の楓と、かなりの人数になっているが、実は、ネギに対して恋心を持ちながら(そう自覚しながら)パクティオーをした者はかなり少ない。というか、パクティオーである事を意識していなかったのどかを除くと、実際には夕映ただ一人と言っても良いだろう。夕映の時も、キスを迫られかなりの窮地に陥っていた。今回のくーは、正にそんな二人目の犠牲者(w)になりそうだ。
ところで、そんなネギに対する秘めた恋心を持っていたくー老師だが、彼女は一体何時、ネギに対してその気持ちを持ったのだろうか。毎度無粋な事ながら、少し過去を振り返ってみたい。

  • 最初のきっかけ

実は、くー老師がネギとのキスを恥らったのは、これが初めてではない。修学旅行時の「ラブラブキッス大作戦」において、くーは偽ネギからキスを迫られ、恥じらいを見せている。ただ、その時のくーは「ネギ坊主とは言え」などと言っている。単にファーストキスに対する恥じらいだったようで、特別な感情を持っていた訳ではないらしい。実際、その後キスすることにもなるが、それが特別な出来事と感じた様子も無い。この頃のくーにとって、ネギは単なる「子供先生」だったようだ。
そんな二人の関係が大きく変わるのが、ネギがくーに拳法の弟子入りをした時。(55時間目)
この時、クラスメイト達はくーに特別な関係を求めるネギの態度に気を揉んだりもしたが、当のくー自身は、やはりネギに対して特別な感情を持っている様子はなかった。しかし、これによって二人は「老師と弟子としての」特別な関係が出来たといえる。
必然的に二人だけで過ごす時間も多くあっただろう。それが原因なのか、くーのネギに対する意識が大きく変わる時が訪れる。それは、くー自身が窮地に陥った時。麻帆良祭、武道大会の一回戦、龍宮隊長との壮絶な試合の時だ。腕の骨を折られて諦めかけた時、ネギの声を聞いて力を取り戻すくー老師。自分でもその力の理由が分からないまま戦闘を再開し、辛くも龍宮隊長に勝利する事になる。(94時間目)
その後、試合の時の自分の心境を照れながら皆に語るシーンが有るが、そのくーの様子にカモが反応しているw。(95時間目)これを見る限り、くーのネギへの恋心はここがきっかけだった、と考えても良いだろう。

  • 師匠の気持ち

ただ、別の見方もある。この時、くーがネギの言葉に力を得たのは、弟子に恥ずかしい姿を見せたくないという思いからでもあった。くーは中国武術研究会の部長という地位を持っているが、彼女が研究会の活動をしている姿はかなり少ない。おそらくは、名誉顧問的な立場なのだろう。彼女が「弟子」と認めているのは、少なくともこの時ネギだけだったと思われる。いや、彼女は今まで部長として教えることは有っても、本当の意味での「弟子」を取るつもりが無かった、ネギが最初の弟子だったという事もあるかもしれない。まき絵が軽い気持ちで参加した時の頓珍漢な修行を見ても、そうやって正式な弟子取りを遠まわしに断っていたとも取れる。強い敵と戦う事を望み、自身が未熟な事を強く自覚しているくーの事、充分考えられる事だ。
そして、弟子ネギの前で自分が敗れる事、それが弟子にとっても辛いであろう事を師匠として自覚し、力を振り絞った。それは、自らが強くなる為だけに戦ってきたくーにとって、今までに感じた事の無い感情だったのかもしれない。つまり「人のために戦う」という事。くーはこの時、ネギという弟子を取る事によって、武道における新しい境地を手に入れたのかもしれない。
だから、この時のくーの気持ち、その恋の部分は、まだあまり明確なものではなかったと思える。カモが反応したのも、今まで恋愛の対象ですらなかったネギに対し、別の視点を持つ事によって「そういう可能性が出てきた」程度の反応だったのかもしれない。

  • 熟成

では、きっかけが龍宮隊長との試合時だったとして、その恋は何時、指摘されて慌てるほどに大きなものになったのだろうか。
実は、その時期を把握するのはとても難しい。というのも、この直後からくーの親友である超が「世界の敵」とも呼べる存在となり、ネギとも敵対し始めたからだ。超の本心は計り知れないが、悪いことをしている以上は親友として止めねばならない。この時期、ネギが超の担任と魔法使いの二つの立場に挟まれて悩んだ以上に、くーは苦しい立場に居ただろう。その為か、この頃のくーはあまり笑顔を見せなくなった。そして、事態解決に奔走するネギに付き従い、黙々と自分の出来る事でネギに助力し続けた。あの元々天真爛漫なくーにして、その存在を感じさせないほど黒子に徹し続けたのである。当然、ネギとの接触は少なく、彼女の心を推し量る事はとても難しい。
しかし、逆に言うと、くーはこの期間ずっと、ネギの事を見ていたのだ。世界の敵となっている超、しかし、くーにとって親友でもある超に対し、ネギがどれだけ一所懸命になっているか。ネギは、世界を救おうとするのと同時に、超を救おうと心を配り続けた。それは、超の親友であるくーにとって、とても大きな意味を持っていたに違いない。

  • 彼女が物思いに沈む時

象徴的なシーンがある。超との敵対が決定的なものとなり、エヴァの別荘でネギパーティメンバーが打倒超の気炎をあげる中、ネギだけが超の気持ちを推し量ろうと悩み、その姿をくーが見ている。そして、その次のコマでは、くーはネギに心配されるほど、彼女には似つかわしくない物思いに沈む表情を見せている。(136時間目)
この時のくーは、超を止める強い決意をしていたのだろう。ただ、この時の彼女の心の内は、それだけではなかったはずだ。自分の願い、つまり超を助けたいという願いをネギが代弁してくれている。そのネギにならば自分の行動を預けても良いという思いから、超を止めるネギと行動を共にしようと決意したと思われる。この対超戦において、誰よりも苦しい立場に居たくーにとって、ネギこそが救いの存在だったといえる。つまり、この時くーは弟子であるはずのネギによって救われたのだ。
そしてその後、結果的に超が世界を混乱させることも無く、超自身も自分の目的を達したと満足な笑顔を浮かべ、その事件は解決した。世界も、超も、そしてくーも、本当の意味でネギによって救われたと言えるだろう。
弟子に取って特別な関係になった。弟子として自分の戦いに意味を与える存在となった。しかし、ただ弟子としてだけではなく、今では自分を救う、自分の心を守ってくれるほどの存在になっている。そんなネギが、彼女、くーにとってどんな意味を持つか、想像に難くない。

  • 第三の女

くー老師はネギに対して何時恋心を抱くようになったのか。
結論としては、最初のきっかけは龍宮隊長との試合の時。しかし、実際にその恋が熟成したのは対超戦を通じて。そして一番重要なポイントは、エヴァの別荘でのミーティング時・・・、と考えたい。
ネギとパクティオーしているクラスメイトは既に沢山居る。しかし、ネギへの恋心を自覚しているパートナーは、今のところのどかと夕映くらいだ。もし、くー老師がパクティオーに成功すれば、彼女はネギに恋する第三のパートナーという事になる。
その時くーは、ネギに対してどのような態度を取るのだろうか。ネギに会う度に「てれてれ」になったりして。それに、恋のライバルになる、のどかや夕映に対してどんな態度を取るのだろう。本心を隠せない老師の事、自分の心を隠したがる夕映以上に慌てまくるかもしれない。
そんな老師の姿を是非見てみたい。その為にも、パクティオーは是非成功させて欲しいものだ。