「ハヤテのごとく!」LIVE2009 ヒナ祭り祭り!! 横浜ベイホール

ハヤテのごとく!」では、キャラ的にはヒナギクが一番人気らしい。とはいっても、彼女はあくまで数あるヒロインの一人だったはず。なぜ、ここまで彼女がクローズアップされるのか。いや、人気があるからなのは当然なのだけれども、普通、ただ人気が高いからと言って、ここまで優遇される事は相当珍しいことでは無いか、と思える。
ひとつに、これはキャスト伊藤静の力が大きいのだろう。人気があるキャラを演じたからと言って、そのファンから要望を全て受け止めてくれる声優さんは、決して多くは無いだろう。元々の企画ならば仕事としてこなしもするだろうが「人気があるからフルアルバム作りましょう」(w)とかの要請はそう気軽には応えられない筈。これは、伊藤静というキャラクターだからこそ実現したアルバムであり、イベントに違いない。
そして、事実、このイベントはヒナギクのイベントであると同時に、まったき伊藤静のイベントだったと言える。彼女の充分すぎるほどの歌唱力と、そして明るい人柄が十全に発揮された、実に良いイベントだった。もちろん、これは「ハヤテ」のイベントであり、他のキャストも多く出演していたのだけれども、やはりそれらはこのイベントの企画も手伝ってか、伊藤静を中心に繋がっていた様に感じる。伊藤静がソロで歌いまくり、間に他のキャラもゲスト的に登場する。ついでに、作品世界の中心である二人、白石涼子釘宮理恵もシークレットゲストとして登場したり。それらは、すべて伊藤静の一人舞台を励ます為のようだった。
企画的に一番の聴き所は生天目仁美とのデュエットだろうか。二人の歌を聞くのは初台以来だが、当たり前の様に二人の息が合っていて、実に楽しかった。けど、やはり一番は伊藤静のソロだろう。それも、バラード系になっても実に聞かせてくれる。
演出も凝っていて、左右のモニターにはキャラクターの映像とかも流れるし、途中ではキャラとしての寸劇を入れるなどして「ハヤテ」イベントである事を常に意識する事が出来る。こういう、一寸した演出が、アニメ・漫画イベントとして一番嬉しい事だったりする。
ともあれ、アニオタ的にはヒナギク分を、声オタ的には静御前分を、充分堪能することが出来た。実に良いイベントだった。大満足。

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