世界の敵は、ネギの父

それは、どうやら間違いないらしい。
259時間目にフェイトが言ったセリフ「僕達は彼の意志を継いで」の「彼(傍点つき)」は、225時間目のセリフ「彼の息子の自由意志を奪う」の「彼(傍点つき)」と同じ人物を指しているとしてよいだろう。
つまりフェイトは、ネギを息子に持つ「彼」の意志を継いで、世界を破滅させようとしているのだ。
ただ、これが明らかになったとすると、更に疑問が出てくることになる。

  • ナギは心変わりしたのか?

ネギの父はナギとされている。だとすれば、ナギが世界を破滅させようとしているという事になる。大戦時のナギとは明らかに行動目的が違う。今のナギは、心変わりをしたという事なのだろうか。
確かに、フェイトのボス=ナギとすると、色々と納得できる点もある。
なぜ、フェイトはネギにここまで固執するのか。ただ殴られただけというのも少し弱い気がする。
「血の成せる業」というセリフも気にかかる。現在のフェイトがナギと深い繋がりがあれば、同じ血を持つネギがそれに反応するのかも、という発想に繋がるだろう。
そして、「死なれては困る」という事。なぜ、単なる邪魔な存在でしかないネギの命を、フェイトが気にかける必要があるのか。
これらから、フェイトは、ネギをボスであるナギの後継者としてみていると推測できる。だからこそ、現在ナギの意志を継いで行動している自分の報われなさに、ネギに対して嫉妬にも似たこだわりを持っているのではないか、と考える事ができるわけだ。
しかし、このような設定だとすると、どうしても気になるのが「ナギの心変わり」だ。フェイトが「彼の意志」と言っているのだから、心変わりをしたという事なければ、「彼」=ナギという事にはならない。
しかし、あのナギが心変わりし、世界を滅ぼす存在になるのだろうか。
フェイトも言っているように「世界を滅ぼす」には、それなりの理由があるらしいので、それを知らされて心変わりをした可能性もあるだろう。
なら、ネギも真実を知ったら心変わりをする? 実はフェイトが一番正しかった?
それは、あまり考えたくない。ナギは、世界の理を壊すような行動がとれる人物であり、だからこそ世界を破滅から守り、世界の英雄になり、ネギの憧れにもなった。
人間は堕落する事もあるが、それにはそれ相応の理由があるものだ。英雄が堕落するのは、自分の立場を守らねばならない状況に陥っとき。例えば、家族の存在を守らねばならない時とかが多い。しかし、ナギは息子ネギが生まれる前に消えている。そんな彼が、堕落するような状況に陥っている可能性はかなり低い。

  • アーウェルンクスとボスの関係

では、ナギは心変わりしていない。しかし、ナギがフェイトのボスとして存在している、という状況は考えられないか。
例えは、ナギは、旧アーウェルンクスのボス「始まりの魔法使い」を倒した。アーウェルンクス達(w)の行動は一貫していて、どうやら始まりの魔法使いの意志をサポートしているようだ。ならば、現在フェイト(三人目)が行動しているのは始まりの魔法使いの後継者の意志という事になる。
「始まりの魔法使い」という存在が今のところ全くの謎だ。それ故、色々な状況が考えられる。
ナギ個人は心変わりするつもりは無かったが、その存在になったと事で自由意志を奪われ、世界を滅ぼす意志を植え込まれているとか。
又は、ナギは意志を保ってはいるが、始まりの魔法使いとアーウェルンクスの「システム」が強固すぎて、フェイトに対して心を偽っているとか。少しずつ干渉し、ネギに自分を倒すためのお膳立てをしているといるとも考えられる。
ナギが始まりの魔法使いを倒したのが20年前の大戦末期。その時同じ場所に居たゼストの存在や、10年後に有ったとされるアーウェルンクスとの戦いなどから、どの様な設定であっても説明がつくだろう。
6年前のネギの村の事を考えると、後者の方が可能性として大きい。
これらの説は、ナギが現在どこに居るのか、という疑問にも答を出す設定と言えるだろう。

  • ネギの父は、本当にナギなのか?

ただ、これらの考察は全て推測に過ぎない。なぜなら、実はネギの父がナギだという確たる証拠が無いからだ。
もちろん、ネギはナギとそっくりの姿をしている事からも、二人の関係性は明らかだ。しかし、それが本当に親子の証拠かというと、魔法の力が存在するこの世界で絶対とは言いがたい。
例えば、ネギは、ナギが魔法の力で子供に戻された存在、という事もありえる。(それと、ネギの父が世界の敵の設定がどう繋がるのかについては、更に設定が分岐するので説明は省く)両者が同時に存在していたのは6年前のあの時のみなのだから、いくらでも偽装は可能だろう。アルの言葉も、完全には信用できない。
又、例えば、始まりの魔法使いは、自分を倒した敵の姿を模して再生する存在、とかも考えられる。(フェイトは転生者を息子と呼んでいる)つまり、ネギは始まりの魔法使いそのものだという説。この時ナギは、ネギが普通の魔法使いとして存在する為に、始まりの魔法使いのシステムを麻痺させる行動を取り続けていると考えられる。フェイトはナギに手が出せない状況が続いている為暗躍していて、作戦が成功すればナギを排除し、ネギをボスとして迎えることが出来るとか。
これらの説は、かなり突飛で、物語的にも主人公ネギの存在意義を脅かしかねない設定なので少し考えずらいが、決して「無い」設定ではない。
なんにしても、今提示されている情報では確証を得る事は難しい。今後の展開を待ちたい。