魔法先生ネギま! 267時間目 父と母、その宿命の物語

今回の「物語」はどう捉えればよいだろう。ゲーデルが語っている事になっているのだけれども、実際には全て彼の語りという訳では無いだろう。ゲーデルが語りたいという部分は、ネギの父と母、つまりナギとアリカが互いに語りたがらなかった「それぞれの事情」をゲーデルが風聞で知り、それを「正しいと信じて」ネギに伝えていると考えればよいか。おそらく、これらにはほぼ間違いは無いと考えて良いと思える。また、二人のいちゃつきも「ゲーデル出歯亀か?」とかではなくて、単に作者の演出として「真実が描かれている」と考えるべきだろう。
ここで語られている事は大きく二つ。ナギの方は「始まりの魔法使いとゼクトの顛末」で、アリカの方は、「アスナ姫とウェスペルタティア王国崩壊の顛末」。
始まりの魔法使いが2600年生きていた、いや、その精神を維持していたという事がわかり、一寸した指針が出来た。つまり、魔法世界は2600年前に今の体制になったと考える事が出来そうだ。夕映の歴史の時間で数千年という数字が出ていて、それがネックだったのだけれども、一応数千年の部類に入るだろう。魔法世界は2600年前に「作られた」と考える事も出来るのだ。例えば、純潔の魔法使いが旧世界=地球から逃げる為、魔法世界を「作って」住み着いたとも考えられる。もしくは、封印されていたゲートを開けたことにより、元々亜人間が住む魔法世界に逃げたのかもしれないが。「作った」とした方が始まりの魔法使い=「創造主」の意味に繋がるので、前者の方がありそうにも思う。
で、その始まりの魔法使いは、どうやら、ゼクトに憑依したらしい。やはり、ゼクトの存在はキーだった。強い魔法使いがまるでホワイトホールの様に魔力を流出する存在だとすれば、その力の出てくる扉は、ある一線を越えると人間の意志を消してしまうのかもしれない。「世界の意志」みたいなものと繋がって、人格が乗っ取られてしまうのかも知れない。その素質を持つ、次代の「始まりの魔法使い」を人工的に作り出そうとして生まれたのがゼクトであり、フェイトも同様の技術で作られた存在なのかも。ただ、問題は「天然に」生まれてしまう魔法使い。つまりナギ。ゼクトはナギに閉鎖した世界の開放という希望を見出し、あえて師匠として教えていたのかも。そして、その希望は、ゼクトの想像を超え、ナギの次代に持ち越されたとか。
また、始まりの魔法使いを倒したのにそれがゼクトに憑依したのなら、ナギはその後もそのゼクトを追っていたと考えられる。そして、それをまたナギが倒したのだとすれば・・・、という事も考えられるだろう。
で、ウェスペルタティア王国崩壊。王女のクーデターは、やはり父王に対してだったか。当たり前とは言え、最も苦しい設定だったわけだ。
王国崩壊とアスナの封印は何か関係が有るのだろうか。まるで、アスナが封印されたことにより、魔力による浮力がなくなったようにも見える。アリカが唇をかんだのも、勿論アスナの事もあっただろうが、それが王国崩壊に繋がるからだったと想像できる。火星の重力を二倍にする魔法をキャンセルしていたとか。まさかね。もしかしたら、父王が傀儡になっていたのも、浮島の魔力に「完全なる世界」の力が関与していたのかもしれない。
とにかく、アスナと始まりの魔法使い、この二つの存在の魔法世界における役割が謎。これが解き明かされれば、ネギまの謎は全て解決することになるのだろう。で、この二つの存在に案外近いのが、ナギでありアリカ。巨大な魔力を持ち敵対する、同じ血族と、二人して代役になる事も出来そうな存在だ。
で、その二人の子供とされているのがネギ。一体、ネギとはどういう存在なのか?
・・・これって、一年ほど前に妄想していた事に、かなり近い。(11/19)こうなってくると、あまりネギが不幸になり過ぎない展開を希望したいなあ。