魔法先生ネギま! 268時間目 恋と世界の崩落

はあ、ため息が出てしまうね。
予想していた事とはいえ、いや、予想上の辛い展開になっていて、読み進めるのが非常に辛い。
まあ、ドラマの作り方としては、当たり前ではある。けど、これをネギまでやると言うのが、どうにも・・・。こうなるを危惧して、例えば、父殺しでは無い設定とかを色々考えたりしたのだけれども、実際には、非常に「真っ当な」作りになっている。そういう話として見るなら面白いと言えるけれども、そういう部分を華麗に回避して甘い話を紡ぎ続けるのがネギまという作品、と言うか赤松健作品の持ち味だったと思うので、これは有る意味「堕落」じゃないかとさえ思えるのだよなあ。
いや、ファンの中から「クラスメイトを殺せ」とかの意見が出た時期もあったくらいだから、これが「求められるネギま」だという判断でもあるのだろう。実際、今の流れは、この様な描写を求める展開だ。自然に受け入れてしまう読者の方が多いだろうし、これこそが面白いと思う人もいるのだろう。
実際自分も、一面、面白いと思ってはいる。けれども、反面、小首を傾げたくなる気分も強いのだ。
肉親殺しとかの推測をするよりも、クラスメイト達の色恋沙汰の考察とかを大いにしたいよ。
とは言え、少しだけ今回の内容について考えてみよう。
一番気になったのが、「墓所の最奥部に到る道をアリカが知っている」という部分。
結局、MM元老院がなぜアスナを求めているのかは不明。少なくとも、アリカは元老院の手に渡したくないと思っているようだ。
で、問題なのは、王家の者しか辿りつけないという「王家の力」ともいえるものをアリカが保持しているという事実。篭絡された前王と同じく王家に伝わる力をアリカが持っているという事か。やはり、このオスティア王家にはかなり大きな力があり、それを巡って魑魅魍魎の蠢く王宮となっていたのだろう。もしかしたら、父王を倒した時に、何かを引き継いだのかもしれない。
戦時中、ガトウが辿りついた事実と「世界の始まりと終わりの魔法」行使に到る世界の秘密。それを本来オスティア王家が管理していて、それを篭絡して(もしくは始めから管理していて)世界をどうこうしようとしたのが「完全なる世界」。そんな状況を苦々しく感じていて、あわよくば自分達の管理に置きたいと思っていたのがMM元老院、それをさらに外側から、自分達の世界が脅かされるとして厄介に感じているのがヘラス帝国、という関係だったのだろうか。
となると、もしかしたらアリカはオスティア王家に伝わる秘密を得た立場として、世界を救うという行為に対し、なにか含むところは無かったのだろうか。始まりの魔法使いは「不可避」であり「次善」であるという世界の滅び。その真相をアリカは知っていたのだろうか。
アリカは、この後ナギに救い出され、何がしかの行動を取っているはずだ。謎の真実を知った事によって、彼女の行動は変わっていただろう。ナギも、始まりの魔法使いを倒した時には知らなかった真実をアリカから教えられたはず。その事によって、その後の行動を取ったのだろう。
ついでに言うと、ゲーデルにはアリカからその真実を教えてもらう時間は無かったと思える。そう考えると、ここでの回想では真実までに辿りつけそうも無さそうだ。