魔法先生ネギま! 271時間目 窮地!伝説の傭兵剣士

うむむ、あまりよろしくないね、この展開。
ここに至るまで、あえて明言を避けていた展開予想がある。かなりの確率でその設定に辿り着きそうな事柄も出てきているのだけれども、それを殊更取り上げなかった。取り上げたくなかった。
「夢落ちは三文安」というという言葉がある。いや、今作ったんだけど。
要は、「それは全て夢でした」「幻覚でした」「書き換え可能」という設定が出てくると、どうしても作品の「位」が下がってしまうという事。
実際には、その設定が書き換えとはいえ物語の構成に深く関わるのであれば立派な設定と言えるのだけれども、それでも「夢落ち」という言葉のイメージによって作品が軽くなるのは避けられない。あまりやってもらいたく無い設定なのだ。
今回提示されたネギまの設定についてみてみよう。
「世界の終わりと始まりの魔法」この言葉が出てきたときから、この魔法世界が「リライト」=書き換えられる世界、つまり幻想によって成り立っている世界であるという展開は予想できた。そして、それがアスナ姫子ちゃんが「始まりの魔法使い」=「造物主」の手に落ちた時に発動した事から、現在、明日菜がフェイトの捕らえられているという状況で発動可能というのも、納得できる。
つまり、現在の明日菜はフェイトから過去を見せられた上で、自分の意志は別にしても、フェイトに利用されている状況なのは間違いないだろう。もしかしたら、「造物主」のフードの中にいるのが明日菜かもしれない。
杖の突端の球は火星のミニチュアだろう。この杖によって、火星=魔法世界の全てを書き換えられるということと思われる。問題は、「魔法世界の全て」とはどこまでを指すのか、ということ。
ラカンは書き換えられた。つまり、魔法世界の住人も書き換え可能。そこで思い出されるのが、フェイトの「人間」「人形」発言だ。
アーニャは地球から来た魔法使いだけれども「人間」らしい。となると、ヘラス人など亜人と呼ばれる存在が「人形」なのか。ゲーデルがいっていた「純血の魔法使い」は「人間」?アーニャは地球で魔法を身につけたので「純血の魔法使い」ではない?いや、「地上を追われた者」が「純血の魔法使い」で、それらは全て「人間」か。それらは書き換え出来ない?
で、彼らが地上を追われて逃げ場として「作った」のが魔法世界?そして、その時併せて作った、もしくは生まれてしまったのが「人形」としての亜人達か?
本来、「人間」の為に生み出された世界のオプション的な存在の亜人達が、自我を持って人間と戦争し「人間」に害する存在になっている事を哀れと思い、それを正そうとするのがフェイト達「完全なる世界」なのか?
もしくは、この人造世界としての魔法世界が、そんな人形達の活動が活発になるほど世界に偏在する魔力が増加し、世界の異界化が進み、ひいては世界律が崩壊して「人間」の住む世界ではなくなるという危うさを秘めているという事か? 
そんな危うさのブレーキ役として、造物主の血族にのみこの世界の魔法を消し去る能力が受け継がれているのか?
少なくとも、オスティア王家は造物主の血族にして「人間」なのだろう。そして、それら「人間」はこの世界が「リライト」された時、どのような影響を受けるだろう。文明を一旦失うが、それでも「人間」として生き延びる事ができる?だからこそ「次善解」?
そして、もともと「人形」だったものは、書き換えられた世界で正に「人形」として生まれ替わる?
つまり、ラカンやテオドラ、トサカやチーフ、コレットや黒いいんちょの今の自我は消えてしまう?
それらの「魂」を真に救い、その上で魔法世界の崩壊を回避する事がネギの使命という事なのか?
この二つの使命は互いに矛盾し、二つともとる事は不可能と思える。それでもそれを成し遂げる「開発力」がネギの中にある、という展開が想定される?
ただそれには「開発力」だけでは駄目で、魔法世界の秘密の中にこの不可能解を解く鍵があると思われる。それはおそらく超とタイムマシンに関わる事では無いだろうか?
・・・などと妄想は広がる。

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