2009年イベント雑感 〜今って、声優ブームなの?〜

昨年通ったイベントの感想まとめ。このブログを始めた当初からの恒例の記事なので、一応書いておこう。今年も昨年と同様、全体の雰囲気だけ。
私がイベント通いをするのは、やはりアニメの「現場の空気」のようなものを知りたいから。アニメ本体を見ても、雑誌を読んでも、ネットを泳いでも、なかなか知りえないアニメに対するファンの「生の熱気」を、イベントでは感じる事が出来るから。それを感じる事によって、よりアニメの世界に浸っている気分にさせられる。一寸優越感も得られる。そういう快感を感じてしまうと、なかなかイベント通いから抜けられなくなる。
ただ、最近、あまりその様な「現場の熱気」と呼べるものを感じられるイベントが少なくなってきているように感じられる。これって、業界の熱気が全体的に薄れてきたという事なのだろうか。・・・最初に予防線を張っておくと、私がそういう熱気あるイベントを引き当ててないからという可能性も大きいので、確証は無いが。
いや、イベント自体が拡大の一途を辿っているのは知っている。けれども、それはある意味、以前にやった「興行の成功例」を単純に拡大させて成功させようとしているルーチンの様に感じてくる事がある。アレが成功したから、これも成功するはず。いやこれしか成功できないのだから、ここに大量投入しよう、みたいな。それって確かに正解で、参加すれば確かに楽しいイベントだったりするのだけれども、何かが足りない。何かとは、意外性かな?
イベントにおける最大の魅力は、そこに参加する事で新たな発見がある事かもしれない。つまり、その作品を好きな人が、もしくは気の狂っているw人が他にこんなにも沢山いるという発見をする事。
そして、その発見はおそらく業界の人にもあって、そのイベントにおける発見が元で新たにその作品が広がってくという、正に「現場」に立ち会える興奮もあったりする。
けれども、最近ではそんな「意外性のあるイベント」がほとんどない。あるのは「イベントの為のイベント」。興行として利益が予想できる分だけのイベントがほとんどのように思う。
結局、それってこのオタク産業が下降気味になってきているという事なのだろう。宣伝費を突っ込んでイケイケのイベントで業界を活性化するというより、金を吐き出してくれるような興行を打って利益の回収を目論むという方向に、イベント全体の意識が行っている。私のイメージからすると2007年がイベント隆盛のピークで、以降その傾向が強まってきている。
ここまで書いてきて思うのだけれども、もしかして、「声優ブーム」とかってもう既に終ってる?
今何次かは知らないけれども、確かエヴァの時に声優ブームが再燃して、衰退する間もなく00年代に入って次のブームの波が来て、そのまま声優ブームが続いている気分になっていた。多分、世間の認識も大体そんな感じだと思う。
けど、なんだか最近はコンテンツの主導権が強くて、声優がどうとかの新しい波をあまり感じられない。声優イベントは絶えず続いているけど、なんだか客が固定してしまっていてパイの取り合いみたいな感じになっているような。もちろん、水樹奈々とか強い声優はとことん強いけれども、それとブームとかは別次元。例えば新人声優が出る毎に皆で盛り立てていくような、業界をもっと熱くさせていくような感じは全然無い。昨年CDデビューした声優ってどれだけいたっけ。
結局、このような流れは、全てもっと大きな経済の流れと繋がっているのだろう。昨年の年末は本気で景気の悪さを実感する人が増えたりしているだろうし、それが業界に更なる悪影響を及ぼすのも時間の問題かもしれない。そうなると、今後さらに業界が冷え込むのかも。
いや、不景気だからこそ、この手の業界は色んな手を尽くして世間に娯楽を提供して欲しいもの。また新しい波とかを起して欲しいとも思う。これからも、いろんな知恵を絞ってイベントを盛り上げていって欲しいものだ。