田村ゆかり LOVE LIVE 2009-2010 *Princess a la mode* 横浜アリーナ

非常に納得の行くライブだった。1万人を超える観客の「口上」なぞ、そうそう聞けるものでは無いだろうw。
以前から田村ゆかり本人の求める音楽は、結構アダルティでバラード系なのではないかと思っているのだが、それと彼女がファンから求められる楽曲が一致しているかは別。田村ゆかりのライブは、その二つの音楽性の狭間で、常に揺れ動いている様に感じられる。
前回のDMCツアーでは、その本人が求める音楽に若干偏っている様に感じられた。それは、彼女の音楽性を見る上で非常に興味深い事ではあるが、これが続くとおそらく色々と不都合が生じて来るのではないかという若干の危惧もあったりした。
けれども、今回はうって変わって「基本に返る」ライブだったと思う。彼女の基本、それはつまり、熱いファンに支えられるライブ。ファンの気持ちを大切にするライブ。おそらく、彼女の音楽がこの1年間リリースされていなかったのも、その方向性を再確認する必要があったからなのかもしれない。ファンから求められるものでありながら、ちゃんと先に進んでいる音楽を熟成するのに、それだけの時間が必要だったのかも。
なので、今回、新曲が大量に入り、定番曲がかなり抜けているライブだったにも係わらず、なんだかとても懐かしい雰囲気を感じた。それはファンに支えられて、それを田村ゆかり自身が喜びとして表しているライブだ。本当に、この日の田村ゆかりは終始にこやかで、このライブを執り行っている事が、幸せで仕方がないという感じだった。エンディングでは、実に丁寧にファンに手を振ったりして。
不思議なもので、彼女は全く正反対の事を言う。「自分は一人ぼっちだ」と。ライブが無い昨日などは何もしないで一人で過ごす。憐れまないで。どうしてこんな人生になったの?みたいな。
そこで、彼女は「皆が居るから大丈夫」とは言わない。(冗談で言ったけど)
おそらく、それはどちらも本当なのだろうと思う。彼女はファンがいるから大丈夫だとは思わないだろう。それでいて、ライブで幸福を感じるのも本当。自分が「そういう存在」になったという事だけが事実であり、その事実を噛み締め、その部分は偽らずに曝け出しているように感じる。
田村ゆかりというキャラクターはとにかくユニークだけれども、こういう部分が彼女の最大の魅力のように思う。
姫、これからも出来る限りお付き合いしますぞ。

My wish My love

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