不況下におけるオタク産業の一極集中について

  • AI Love Network 赤松健日記帳 2010年1月9日

http://www.ailove.net/diaries/diary.cgi

「有名な作品の単行本は売れ続けるが、そうでない作品の単行本は一律に下がっていくのではないか」という予想ができるわけです。

この話って、なんだか数日前に、私が声優について語った事に似ていて興味深い。

  • 2009年イベント雑感 〜今って、声優ブームなの?〜

http://d.hatena.ne.jp/crow2/20100102

声優イベントは絶えず続いているけど、なんだか客が固定してしまっていてパイの取り合いみたいな感じになっているような。もちろん、水樹奈々とか強い声優はとことん強いけれども、それとブームとかは別次元。例えば新人声優が出る毎に皆で盛り立てていくような、業界をもっと熱くさせていくような感じは全然無い。昨年CDデビューした声優ってどれだけいたっけ。

これは雰囲気で書いた文なので全然分析になっていないのだけれども、やはりどこか本質を捉えていたのかもしれないと、一寸自信が出てきたり。
ただ、ここで「声優ブーム」という単語を出しているけれども、まずそれは間違いなのだろう。ブームはこれだけ続けば産業として定着したと捉えるべき。ブームとは何かというと、それはやはりその産業が発生した勢いのある時期の事で、それはもっと短い期間なのだろう。それを示す興味深いデータがこれ。(この記事も最近のもので、なんだか因縁めいている。)

http://catmania.blog13.fc2.com/blog-entry-3041.html

1980年生まれから1988年生まれまでリスト化なさっていますが、特に今年三十路を迎える1980年生まれの声優さんの多さに驚きました!

このデータは女性声優の年齢を示したものだけれども、おそらく、この著名声優の年齢が固まっている事と、声優ブームは関係ある。色々な要素があるだろうが、やはりブームの時期にデビューした声優が同じ年代で、その多くが後に残って声優産業を定着させる立役者になったという事なのだろう。
そして、定着した声優産業が今現在どうなのかという事が問題で、それが漫画産業と同じく「一極集中」になりつつある。
その「一極集中」でも、それで利益が向上していれば良いかもしれないけれども、全体で下がっているのであれば、それは単に「先細り」という事。いや、一極集中で利益向上が望めるはずも無いので、これは衰退の一形状に過ぎないといえる。こうなると、産業の未来はかなり苦しい状況と言えるだろう。赤松健は漫画と併せてゲームも同じ状況としているが、要は、不況により、オタク産業すべてにおいてこのような衰退の兆候が出てきているということなのだろう。
はてさて、この後どのような展開が待っているのか。案外、思いもよらぬところから新たな娯楽というものは出てくるもの。例えば、一時は衰退したアイドル路線が地下アイドルという形で盛り返しを見せたりしているのに最近遭遇した(2010/1/9)のだが、こういうものが本道に乗るのか、徒花と散るのか。
とにもかくにも、アニオタとしては声優さんに頑張って欲しい所。厳しいご時勢だけれども、新人を大事に、いや大胆に育てたり、現役声優ももっと活発に活動したりして、声優ブームと呼べる時代を再現して欲しいものだ。