Minori Chihara Live Tour 2010 〜Sing All Love〜 三郷市文化会館大ホール

春うらら。会場に続く道沿いには桜が咲き誇り、はらはらと散っている。目の前の公園では、ご近所の家族づれだろうか、和やかな花見に興じる沢山の人出が。なんともよい日和だ。そんなよい日に初日を迎える茅原実里の3rdツアーライブ。ここから始まる彼女の道のりを暗示しているようだ。
今回のツアーは、先日リリースされたアルバム「Sing All Love」の名を冠しているように、そこからの楽曲が中心となるだろう。このアルバム、彼女の3rdアルバムにして、その攻めの姿勢には戦慄を感じるほどだった。自分に妥協を許さない非常に強気な激しい曲の連続。自分を追い詰める事によって自身から新たな境地を引き出そうと攻め立てている感じ。ただ、決してそれだけではなく、最後には正に彼女の「心そのもの」と言える自身初作詞の歌で〆ていて、歌に対する想いを強く感じさせてくれる作りとなっている。
彼女のデビュー五年間の内、最初の二年に比べるとこの三年の成功は出来過ぎだった。その成功は歌で成し遂げる事が出来た。だからこそ、その歌で、全力のお返しをしたい。そんな気持ちが痛いほど伝わってくるアルバムだ。
また、このライブに臨み彼女にはもう一つ感謝の気持ちがあっただろう。それは「涼宮ハルヒの消失」に対して。彼女の成功は、ハルヒ長門有希との出合いによって成し得た。そしてその作品が、その長門が大きくクローズアップされる「消失」で劇場公開された。さらには、そのエンディングソング「優しい忘却」も歌っている。
全てが上手くいっている。その想いを返したい。そんな彼女の気持ちはブログやらラジオやらで漏れ伝わっている。そういった気持ちを持っている限り、ライブは始まる前から成功している様なものだ。
事実、素晴らしかった。
最初から攻めの激しいセットリスト。長門への想いを込めた「優しい忘却」。そして、今まで自分の成功を作り続けてくれた、以前のアルバムなどからの曲を詰め込んだその日限定のメドレーソングなどなど。
また、今回面白かったのは彼女のMC。前回のツアーではMCも結構作りこんできていたので、今回もそうなのかと思いきや全く違う。想いで胸一杯なのか、MCになるたびに言葉に詰まる姿が何度もあった。ただ、そこからは自分の感情を言葉では伝え切れないという彼女の本質がみえてくる。だからこそ、彼女の歌はより強く激しくなっていく。
舞台も照明も良く、彼女の衣装も実に艶やかで素晴らしい。最高の舞台の上で彼女自身の動きも激しさを増し、ラストに続く楽曲に至っては光と共に踊っているかのようだった。
そしてアンコール。ここで最後に歌われる曲は分かっている。彼女の「心そのもの」ともいえる「sing for you」。
激しいパフォーマンスを終えてある程度気持ちを出し終えたのか、この曲を歌う前の彼女はこの曲に、このライブに込めた気持ちを素直に言葉にする。ただ、そうする事で改めて気持ちが高ぶってきたのだろう。歌われた「sing for you」はとても熱っぽいものだった。それを見ている方も熱い気持ちがこみ上げてくる。
・・・彼女の気持ちは強く伝わった。もう充分すぎるくらいに。なのにこれがこのツアーの初日なのだ。またこの感動を得ることが出来る。もっと彼女との時間を共有できる。そう思うと嬉しさが押さえきれない。
まだ始まったばかり。この後のツアーも、出来るだけ参加したいものだ。
・・・
自分の為に、某chから拾ってきたセットリストを挙げておこう。

1.Final Moratorium
2.Paradise Lost -at next nest-
3.Flame
MC
4.Falling Heaven's now
5.Love Medicine*
6.tea for two
MC
7.優しい忘却
8.純白サンクチュアリィ
9.孤独の結晶
10.雨音のベール
11.サクラピアス
12.PRECIOUS ONE
MC
13.Lush march!!
MC
14.mezzo forte〜FUTURE STAR〜輪舞-revolution-(日替わりメドレー)
15.animand〜agitato
MC
16.君がくれたあの日
17.書きかけのDestiny
18.愛とナイフ
19.覚醒フィラメント
20.Perfect energy

アンコール
21.Tomorrow's chance
22.雨上がりの花よ咲け
MC
23.sing for you

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