魔法先生ネギま! 〜もうひとつの世界〜第3話 新・師弟コンビ誕生

そっか、監督がところともかずに変わったのか。この人、微妙に癖のあるアニメーターという印象で、上手く転べば良いけれども、若干とっつきにくい作風という認識。ネギまのアニメの場合、もう過去に色々やらかしているので(黒歴史の代名詞だもんね・・・)、ある意味、こういった癖のある演出でまとめてくれた方が、逆に落ち着く、という所だろうか。構成は赤松健が握っているので安心だし、少し特色のある映像で作ってくれると、その面白さに心惹かれて安定して見ていられる。
けど、本当のイメージとしては、ネギまはオーソドックスな娯楽だから、あまり特色強くやると本筋から外れているという印象が強い。実原さんとの画的な関係とかどうなのだろう。こういった映像がネギまの画作りの基本になる事無く、あくまで演出のバラエティとして認識していて欲しいものだ。もっと叙情的だったり、ポップだったり、熱血だったり、大劇場的だったりしないといけないシーンなどが、この後の長編アニメでは待っているのだから、妙に映像的な癖などが付いて欲しくは無い。雰囲気からすると、このところともかず監督のまま長編に移行するのかなと考えたりするから、出来として悪くなくても色々心配してしまう。
てな事を考えていると、ネギまの最も好ましいアニメ化ってどんな風なのだろうとか思ってしまう。あまりにも王道的で、幅広い要素を欲張りに取り込んだ作品だから、アニメの演出でも一種の「見立て」が出来ない。非現実的にギャグっぽくとか、日常生活を丁寧にとか、スペクタクルに耐えられる壮大さとか、演出を一つに特色付けられない。あくまでネギまのリズムとバランスというものがあり、それをマンガのコマ割りから音と時間を肉付けしていかなければならない。それって、一つのアニメ制作会社が長期放映しながら少しずつ調整していって始めて完成してくるものなのだろう。
ネギまのTVアニメが最初されてから、何度も作り手を変えて作られていること自体、非常に勿体無い。最初、あれだけ期待されていたのだから、もっと丁寧に、絶対に転ばない体制が出来てから作れなかったものなのかと、あの「黒歴史」が残念でならない。
ともかく、また監督が変わり、アニメ的には「積み上げている」印象が薄い。このままだと長編アニメへの期待の高まりどころか、「魔法少女ユエ」への期待も、燻ったままだ。なにかもっと、抜本的なテコ入れがないかと思ってしまう。
いや、ほんと、この作品そのものとしては良く出来ていると思ってはいるのだけれども。

魔法先生ネギま!(30) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(30) (講談社コミックス)