声優イベント参加10年

今日2011年6月9日は、私にとって、オタク的な活動の記念すべき日かもしれない。
というのも、10年前のこの日、ある声優イベントに参加したのが、その後の行動に大きく影響していたから。
そのイベントはとても些細なイベント。「KSS全国夏祭りイベント」
おぼろな記憶によると、正にその当日、暇潰しにとあるアニメイトをぶらついていたら、その無料参加チケットを配っていた。今では考えられないくらい、のどかな時代だった。
場所は「我孫子アビーホール」。少し遠出になるが、丁度ぎりぎり間に合う時間だった。その都合のよさについ乗ってしまい、そのイベントに赴いた。・・・それが、その後の運命を大きく変えるきっかけになるとは、露とも思わずに。
イベントのゲストは茶山莉子笹島かほる古山きみこ(昔はこう書いた)。内容的にはこみっくパーティーハピレス。どちらもいわゆるギャルゲー発アニメであり、まあ、ゆるーいアニメイベントと言うべきだろう。
しかし、私はそのイベントにいたく感動した。
それまでにも、オタクである私はアニメ関連の大きなイベント、例えばアニメフェアとかキャラショウとかには参加していた。しかし、こういった小さい声優イベントには参加したことがほぼほぼ無かったのだ。
大きなイベントでは、その大きさゆえ、言ってみれば全てが宣伝という大きな仕組みの中で作られている演出の様に感じていた。その中に小さなステージがあっても「そんなものだ」と感じていた。
しかし、実際にはどうだろう。そのステージに参加する声優にとって、一つのステージは自身のパフォーマンスをお客さんに見せる場だ。つまりステージの一つ一つも、声優にとって真剣勝負の場のはずなのだ。
我孫子といういわゆる場末の、外では小雨が降っていて湿気の多い、客席には空席も目立つ、少し寂しいステージ。そこで茶山莉子笹島かほる古山きみこが、何時もと同じ様にトークや歌で場を盛り上げている姿を見て、その事に初めて気付いた様に思う。
私は元々アニメや漫画が好きだったが、それは紙や映像の上でのことだった。もちろんそれを作る人達の存在にも意識はあったけれども、声優も含めて、あくまで「スタッフ」というデータ的な意味しか感じていなかった。
それが、このステージによって大きく意識変革させられた。声優も芸人であり、それはどのような場所、つまりアフレコ現場であってもステージであっても同じ、真剣勝負をしているという事に気付かされたのだ。
まあ、少し当時を思い返してみると、この10年前は声優界が最も浮かれていた時代だったといえる。丁度、エヴァブームからゲームブームにオタク文化がなだれ込み、言ってみればオタク文化が一般化していく真っ只中の時代。それまでのアイドル声優が、次の世代の超新星とも言える大型新人(象徴としてはやまなこ)に取って代わられて、新しい風が吹き荒れた次代。
実際には、そんな浮かれた時代の空気を薄々感じていて、それが自分の身近に存在している、それを自分が楽しめる、楽しんでよいという事に気付いたともいえるのだろう。
それから10年。声優のステージを楽しむ事は、私にとってアニメを見ることと同じくらい大切な趣味となっている。参加回数が年間100回以上である事が何度もあったりするくらい。声優イベントは若者文化なので、今となっては完全にロートルの域に入っているのだけれども、今後も無理の無い程度に続けては行くのだろう。
この楽しみに気付かせてくれた茶山莉子笹島かほる古山きみこは、大恩人と言えるかもしれない。
再来週の登風には、きみきみは登場するのかな?