ネギま世界の魔力の流れ

ネギま世界における「魔力」について、少し考えてみる。前にも似たような事を書いた気がするが、今もう一度まとめる。今までの流れで、この「魔力」の扱いが、どうも不可思議で仕方が無い。
魔力について、ネギまでは「森羅万象に宿る力」「大気に満ちている自然のエネルギー」としている。
これをそのまま取れば、言ってみれば魔力とは日本の精霊信仰にも似たものと言える。実際に、ネギの基本的な攻撃魔法とかは、精霊を使っていたりするので、これについて間違いは無いと思える。
けれども、魔法世界に行ってから、そのあたりの認識が少しずれてくる。そのきっかけの一つがエヴァの作った「闇の魔法」。
この技術、「闇」と言っているが実際にはどうだろう。魔力を身体に取り込み、自身を魔力の篭った存在に変幻させるような技。そこには、「闇」である意味は存在しない。もしこの技術が「闇」ならば、「魔力」そのものが「闇」から生み出された存在では無いか、と思わせる技術だった。
また他にも、魔力によって「魔素障害」とか、「魔法災害」とか、魔力が強すぎるからこそ発生する害悪などもあり、魔力という存在は、どう考えても「自然のエネルギー」と呼べるものとは言い切れないというイメージが強くなっていた。
そして、今となってはかなり不可思議なのが「魔法世界」の存在そのもの。この世界、実際の火星を触媒にしているのだという。今ネギが100年の歳月をかけて改善しようとしているのが、火星の自然創造。自然が無いから、魔法世界は崩壊してしまうのだという。
しかし、これは変だ。そもそも何で火星という自然の無いところに魔法世界を作ったのだろう。いや、それには膨大な魔力が必要だろうから、それがそこに存在している事自体が不可思議だ。
それどころか、魔法世界は現実世界よりも魔力が充満している世界ではなかったか。今回、フェイトがゲートを閉じた事の一つの目的は、魔力の対流を作ることだったようだが、それはつまり、ゲートから現実世界に漏れ出る魔力をせき止めて、高密度魔力を作り出そうとしていたのだろう。それをアスナに「食わせる」事で「リライト」をしようとしていた。
つまり、魔法世界では、現実世界への魔力流出をせき止めれば、勝手に濃度が上がるくらい膨大な魔力が発生していると考える事ができる。
これら、「魔力は自然とは異質な存在」「魔力は魔法世界で大量発生している」ということから、一つの仮説が生み出される。
魔力は、元々この現実世界とは全く違う所からきた異端の存在なのではないか。そして、その発生源は何故か火星であり、それが何らかの理由で(時間移動などがないと説明が付かないのだが)、現実世界としての地球にももたらされて、大気に満ちているのではないか。
魔力の特性としては、人間の精神によって自然エネルギーに影響を及ぼす事ができるもの。なので、魔力を使うと自然の力を動かしているように思えるので、当初の「魔力は自然エネルギー」という「誤解」を生み出しているのではないか。
・・・とまあ、今までの設定を素直にまとめていくと、このような推論になってしまうのだ。
因みに、その火星の発生源こそが、実は別次元世界(反物質世界といってもよいか)であるところの、「魔界」であり、そこと偶然にも現実世界が接触してしまったので、魔法という不可思議な現象が生まれているという設定も考えたりしていた。
ネギの言う、「火星をテラフォーミングしたら全て解決」という計画は、上記未解決の魔法世界の謎のタネを明かしてくれないと、そのままでは信用できない、というわけだ。
で、これは魔法世界の大きな謎、二つの内の一つ。もう一つの謎についてはまた今度。