「神のみぞ知るセカイ」中川かのん starring 東山奈央 1stコンサート 2012 Ribbon Revolution 日比谷公会堂

常々、アニメイベントとして最も望ましいものは、作品世界を再現しているもの、と思っている。その点「神のみ」世界のアイドル「中川かのん」を、まるで実在しているかのように扱う展開は実に望ましいし、そのライブとして実現したこれは、アニオタとして最も嬉しいライブといえるだろう。
それにしても、東山奈央という存在は一体「なんなんだろう」。
彼女のトークによると、丁度2年前の今日、始めてアフレコにたったのだという。つまり中川かのんでデビューした訳だ。その東山奈央は、ステージ上で別に中川かのんを演じているわけではない。それなのに、彼女はライブの全編を通して、中川かのんと全く一体となっているかのように、ごく全く自然に振舞っていた。もちろん、中川かのんはスーパーアイドルだ。そのスーパーアイドルとしてのパフォーマンスを、まるで当たり前のようにこなしていた。
いやほんと、彼女は一体なにものなのだろう。
確か1年前の彼女は、中川かのんとはまったく別の存在として、自分に歓声が浴びせられる事すら全く慣れていない感じだった。そんな彼女が、中川かのんという幻影を追う事によって、まるでそのスーパーアイドルそのものになってしまったかのような印象だ。彼女のポテンシャルは、一体どこにあるのかと驚愕してしまう。
ライブの内容としては、中川かのんステージとしての他にも、途中で助っ人としてハクア役の早見沙織と桂馬役の下野紘が出てきて、ハクアとして歌ったり、桂馬も歌ったりと盛り上げる。更にはエルシィ伊藤かな恵もシークレットゲストとして駆けつけたり。舞台上のスクリーンには、作品の中のシーンが流れる場面もあったり、正に「神のみ」ワールドが全面に展開されていて、最高のステージだった。
・・・しかし、これほど素晴らしいアニメイベントはそうは無い。それを、東山奈央という存在が中心となって作りえたという事実に、改めて驚いてしまう。
少なくとも、「東山奈央が」このライブを成功させた、という事は事実だ。もちろん、今後も「中川かのんの」活躍に期待するものではあるが、今後は、「東山奈央としての」活躍についても、期待せざるを得ないだろう。
東山奈央」というアイドル声優も、一つの「キャラクター」なのだから。

桜色卒業|バレバレ・バレンタイン

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