『まおゆう魔王勇者』エピソード0 始まりに至る物語 昼の部:勇者編「出立」 渋谷公会堂

いやはや、豪華なイベントだった。声優とはかくも素晴らしい芸をもって観客を魅了するのかと感服しきりだった。
朗読劇というものは、実際の芝居に比べてイメージが地味だし、ただ音声だけならば音源として売ればよいとか思われているのか、このように正式な声優のものとして公開されること自体稀に思うのだけれども、その認識は間違いだろう。
声優の力というものがいかに素晴らしいかということは、生で聞いて始めてその真価がわかるもの。クラッシックだってCDで聞くよりコンサートに行った方が何倍も凄いはず。そのあたりの当たり前の事がどうにも認識されていない。もっと声優の朗読劇の公開というものが当たり前になって、頻繁に開かれて欲しいものだ。
実際、この題材となれば是が非でも参加したいものだったのに、よりによってこの日にやるなんて。泣く泣く前編だけしか参加していない。是非再演して欲しいし、もし出来たら、本編の公開もして欲しいものだ。
ということで、「まおゆう」ですよ「まおゆう」。正に重厚にして感動的なドラマを期待させる朗読劇として、もうこの情報が流れた時から期待で変な汁が出てしまうくらい。(←?)
実を言えば、ネットで読んでしまっているから、最近のドラマCDとかにもついていけていないのだけれども、こんな企画までやってくれるのならば、もう一度どっぷりつかっても良いかなとか思ってしまう。実は、本家のドラクエのドラマCDとか大好きで、何度も聴きなおした事とかあったもんなあ。(何時の時代の話だw)
実際のところ、今回の朗読劇は、エピソード0だという。つまり本編直前の話であり、つまりは外伝的なオリジナルストーリーだとか。けれども、そのあたりの経緯などは、本編中でも少し触れられていたはずだから、決して完全オリジナルというわけでも無いだろう。正に、イメージでは出来ているけれども、語られて欲しかった部分だったりする訳だ。
で、聞いたのだけれども・・・もう涙で前が見えないw。この後の本編の熱い展開を知っているだけに、そこに至るエピソードとして、胸の中の何かが抑えられないくらいのものだった。やばいよ、これは。
登場人物の誰もが、心の中にどうしようもないものを抱えていて、その境遇に追い詰められている。状況は更に悪化していきそうな気配すらみえる。
しかし、一人の老賢者が言う。「期待せよ」と。
期待せずとも期待してあがけ。生はそこにこそ意味がある。
世は、人間界と魔界、全世界が全面戦争へと突入していく暗黒時代。暗黒の空の魔界の酒場で、心に空洞を秘めた勇者が、それでもなおその言葉の意味を知るために、一人旅立つ。その先にある約束された出会いのために・・・
あ、かいちゃった。けど良いよね。これは本編を知っている者ならば誰もが判る展開だし、実際には朗読劇で聞くべき物なのだから。
もう、ね。やばいよ。特に肝いりのメイド姉妹の戸松と東山の芝居とか、やばすぎた。
本当に夜の部が聞けなかったのが、残念でならない。
もう一度言う。ぜひ、この企画はまたやって欲しいものだ。
まずはドラマCD聴かないとなあ。