String&Voice〜音を届けたい〜チャリティーコンサート 銀座ブロッサム

このイベント、メインにヴァイオリニストの川畠成道が居る辺りから、まあ、アニメイベントとは趣が大きく異なるとは思っていたけれども、こうしてイベント巡りとかを趣味にしている駄目オタクなどでも力になれるチャリティコンサートということで、佐藤聡美丹下桜の声を聞きに参加。いや、ありがたいものだ。
そして、まず最初に仙台市教育委員会次長からの挨拶から始まったのだけれども、「実は最近知った話」として仙台出身である佐藤聡美の母校の校長だとか。・・・このあたりから、どこかこのイベントが神がかってくる。
次に、川畠成道のヴァイオリンソロ演奏があり、トークでは観客が彼のファンの小母様達とむさい男共wの混成である事を茶化したり。そして、二人の声優が登場し、出演三者のこのコンサートにかける想いをそれぞれ語りあったのだけれども、佐藤聡美が語ると、彼女の目が見る間に潤んでくる。このコンサートへの想いが、他とは明らかに違うのが伝わってくる。
実際、ヴァイオリンは表現も多彩で素晴らしいものだし、丹下桜も、きっと子供にも受けるだろう多彩な声色を使って、トークでも自分のファンやアニメファンを楽しませる話題で会場を沸かせていたのだけれど・・・、あえて言うと、それらは全て脇役となっていた。
結局、ライブにおいて最も強いのは「モチベーション」なのだろう。技術や能力など全て置き去りにするほどの強い想いをもって望めば、それは何よりも強い力となって見る者の心に訴えてくる。
別に、このコンサートで佐藤聡美が特別なことをしていた訳ではない。終始落ち着いていたし、実際には涙も見せなかった。ただ、丹下桜と同じ様に、非常に素晴らしい絵本の朗読を聞かせてくれていた。
しかし、彼女の観客に対する挨拶が、明らかに他の二人とは違っていた。そこに居る観客だけではなく、仙台の被災者に対する想いがこもっていた。それだけで、彼女の想いが基点となり、このコンサートの意味が強まっていた。つまり、このコンサートの主役は、正に佐藤聡美だったといってよいだろう。
また、佐藤聡美は元々読書家だと何処かで聞いたが、彼女が自身で選んだ朗読絵本は、湯本香樹実の「くまとやまねこ」。あまりのセレクションの絶妙さに感心してしまった。そんなところでも、このコンサートにおける彼女の存在感が深まっていた。
このコンサートの収益金は、タイトルのとおり、仙台の学生達へのコンサート開催費にあてられるという。正直言って、地元に戻った佐藤聡美の朗読を滅茶苦茶聞きたいが、それはやはり、遠くから応援することにしよう。
がんばれ、しゅが。

くまとやまねこ

くまとやまねこ