寿美菜子 First Live Tour 2012“Our stride” 中野サンプラザ

やっと、彼女のソロライブに参加する事が出来た。この前はMusic Rainbowくらいだから、あの頃のスフィア旋風の中でチケットなど全然取れなかったし。
最初に彼女の生歌を聞いたのは、やはり初めてミュージックレインのイベントに参加したときかな。 2008年の「秋の収穫祭」だから、丁度4年前になる。

まだ高校生で、声優もほとんどやってない、あまり馴染みのない存在だったのだけれども、歌を聞いて、その上手さに舌を巻いた。声楽の歌唱力で観客を驚かせた高垣に匹敵するほどに、そのライブパフォーマンスの完成度は高いと思えた。
もちろん、その時は声優として全然だったから、彼女の未来などまるで推測出来なかったのだけれども、その後、けいおんで大ブレイク。最初は演技力はどうかな?と思っていたのに、最近では、良い役を沢山やる事によってか、声優としてもどんどん上手くなってきている。
そうして、改めて今の「寿美菜子」という存在を考えてみると、かなり凄い。
彼女のイメージは、まずセンスの良いアーティストとしての面が強い。少しドライな雰囲気を持っていて、アニメ声優としての、つまりオタク的な雰囲気から外れた感がある。他の声優で例えると、坂本真綾などに近い。
そして、今回このライブでじっくり歌を聞いたのだけれども、アーティストとしての完成度は、充分匹敵するだろう。そりゃ、スファアなどであれだけ場数を踏んでいれば、その熟練度で並ぶというものだ。ともあれ、相当なアーティスト性を持ち合わせていることは、請け負ってもいい(^^)。
そして、彼女のもう一つの強みは、声優としての個性に、今のところ強い色がついていない事。これは一種の欠点かもしれないけれども、彼女のような若さがあれば大きな強みだと思う。
大ブレイクしたけいおんの紬は、まだ彼女が個性を探っていた時期だろうし、その後も一つ一つ良い役をやっているけれども、傾向はばらけている。そんな中で「この役は彼女にしか出来ない」という役を一つでも掴めば、爆発的に声優としての力を付けることができるはず。彼女には、そんな可能性が秘められているかもしれない。
言ってみれば、リリカルなのはで更なる大ブレイクを果たした水樹奈々の前夜に近い状況にあるかもしれない。水樹奈々にしても既にメッセを成功するなどの段階を踏んでいたのに対して、一足飛びに駆け上がったりするかも。美菜子自身、スフィアで大舞台は充分経験済みだし。
ただ、唯一美菜子の欠点はというと、水樹奈々と比較してみると、水樹奈々は演歌の人情味(野暮ったさともいう)とオタク気質が結構マッチしていてオタク心を掴みやすいというのに対して、美菜子のアーティスティックでドライな雰囲気は少しオタクにとって近寄りがたい面があるかもしれない。つまり、「彼女に対して思い入れるか」という面で、強いファンを持つ他のアイドル声優アーティストに欠ける側面があるかも。
しかし、最近のアニメ・声優ファンも少しずつ変わってきているので、美菜子のような、少しドライな存在の方が受け入れられる、という状況が出来てきているかも知れないし、そのあたりはビミョー・・・
ともあれ、寿美菜子はとんでもない逸材であり、ここに至って、まださらに爆発するかもしれない魅力的な原石と思える。
彼女の行く末がとても楽しみだ。

My stride(初回生産限定盤)(DVD付)

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