戸松遥 second live tour Sunny Side Stage! 東京国際フォーラムホールA

もちろん、向かった先はここ。幕張から電車で1本、それも東京駅着いたホームを出たらすぐそことか、実に都合の良い場所だ。
もう、この感想を書くのも3回目。ライブも最高潮で、最高に盛り上がったことは確かだし、感想を書く必要が無いほどだろうけれども、3つだけ書き残しておかなければならないことが。
一つは、会場限定ソングについて。自身の曲は「naissance」。原点に還ると言う事で。これはもう、感動せざるを得ない。初めて人前で披露した時の、緊張で震えてもなお魅力を損ねない歌声を思い出し、この大舞台で堂々と歌いきる姿に。アニソンカバーでは、なんと「おジャ魔女カーニバル‼」。これについては、別の意味で感動した。これも彼女にとって子供のころ聞いていた原点の曲らしい。・・・全く戸松遥と関係の無い事だけれども、なんというか、時の流れを感じざるを得ない。物事は移り変わっていく、という事だ。
そして二つ目は、虹色ペンライトの観客サプライズ。今時このような企画が観客からの発案でここまで成功するとは思わなかった。これは本当に、戸松遥という存在に対する、ファンの想いの熱さが実現させたことだろう。今まで声優ライブをそれなりに見てきたけれども、観客からのサプライズで、これほどまでにきれいなものは無い。そのくらい素晴らしいものだった。それを作り出した観客の一人となれたことに誇りすら感じる。戸松遥もすぐに気づき、どう対応してよいか戸惑う姿が見られたw。歌を止めることもできず、途中でステージ高段に登って全体を見渡して感動していた。あの瞬間は本当に嬉しい一時だった。
そして最後、どうしても書いておかなければならないことが起きていたようだ。
証明の転落事故は、おそらくそこから数mも離れていないところにいた私にも全く気付かなかった。最初に知った時の偽らざる感想は「知らなければよかった。言い立てて欲しくない」という気持ち。それは、あの感動的なライブを体験した者ならば、誰でもそう感じるはず。しかし、同時にそれは利己的な感想であり、いけない事だとも思う。もし仮に自分が被害者の近辺の席だとすれば、どうだろう。安全確認が出来るまでライブを楽しめるはずがない。
ライブの主催者は、この感動的なライブを成功させたいがため、水を差す事に躊躇したということもあっただろうが、それは、少数でも一部の観客の恐怖を犠牲にして成り立っている成功だったのは間違いない。せめて一時の中断により、安全確認と周辺観客の席の移動くらいは出来なかったものか。確かにアクシデントではあるけれども、あの素晴らしいライブは、そんなアクシデントだけでは覆せないものだったと信じられる。きっと万全の対応がなされれば、ライブの空気はすぐに戻ったはず。単に一つの伝説となったかも知れない。
けれども、やるべき事をやらず、目先の成功を前に一部の観客の思いを犠牲にしたことは、今後も糾弾されるだろう。戸松遥本人の意思は全く関係が無いのに、彼女のイメージすら損ねかねない事だと思う。
何かを成すとき、普通はアクシデントが起きたときの対応策をある程度用意しておくものだ。アイドルや声優ライブが当たり前のように数多く開催され、その規模も大きくなっている中、このような失態が起きてしまったというのは、何か体質的な問題を抱えている気がする。
本当に、この件については残念でならない。
戸松遥のパフォーマンスと、それを支えるファンの熱い想い。これは、彼女の若さも相まって、今後のアイドル声優の中核ともなりえる巨大なエネルギーを感じさせるものだ。そこにこのような事態が起きるというのは、何の因果か、神を呪いたくなるほどだ。(冗談抜きで、彼女を蹴落とそうとする者の犯行すら視野に入れて調査して欲しいくらい)
先の週刊ミューレ事件はアニメ業界全体の雰囲気に影響したと思っている。この事件も、そういった事になる危惧すら感じさせる。業界をあげて検討して欲しいものだ。