『高垣彩陽 2ndコンサートツアー2013 〜relation of colors〜』栃木公演 栃木県総合文化センターメインホール

いやはや恐れ入った。高垣彩陽が、真の実力を発揮し始めるとこれほど凄いものなのか。
このツアーは、2ndだという。しかし、1stの時には、まだ高垣彩陽はミニアルバムしか発表していなかった。基本はシングル数枚とキャラソン、そしてカバー曲が中心。シングルだってタイアップが中心だから、高垣彩陽という存在とのコラボとしては、手探り状態のものも多かった。つまり、「高垣彩陽の曲」と呼べるものが決して多くは無い中で行っていたのが1stツアーだったと言える。
高垣彩陽は歌が上手い。」しかし、だからといって、その歌の上手さを存分に発揮出来る場が、曲が十全にあるかというと、今まではそうではなかった。なぜなら、「高垣彩陽にしか歌えない曲」が発生してしまうほど、彼女の歌の上手さは飛びぬけているから。例えば「Be with you」。いや、もしかしたら歌える人も居るかもしれないけれども、少なくとも、声優界で他にこれを魅力的に歌える人を、私は想像できない。
彼女の歌は「豪奢」だ。ミュージカルから声楽へと、世界的に認められる歌の王道を進んでいて、その表現の力と幅は圧倒的。ある意味グローバルなその歌唱力は、日本の歌謡曲の幅をも超えてしまっているので、その中でも幅広な世界を作り出しているアニソン界においてすらも、彼女を受け止めるのには狭すぎる。
人一倍謙虚な彼女は、その中でも有難く曲を受け取り、大切にキャラソンなどを歌ってきてくれていたが(それはもう、アニオタとしては有難くて涙が出るくらい大切にしてくれている)、それでも、彼女がそれらの曲を歌っているときの「窮屈さ」は、受け手としてどうしても感じてしまう。
しかし、今回、彼女はついに自分の「武器」を手に入れた。つまり自身のアルバムを持った。そして、その楽曲を引っ提げての彼女の「コンサート」は・・・、圧倒的。
高垣彩陽というフィルターを通じて、声楽、洋楽、ミュージカルに通じる豪奢な歌声が、アニソン界にも通じる曲を仕上げている。
これはもう、生で聴いてもらうしかない。いや、アルバムでもその凄さは理解できると思うが、やはり、この歌の迫力は生でしか味わえない。
このたび、追加公演も決まったという。今後もより積極的な活動を期待したいものだ。

relation(初回生産限定盤)(DVD付)

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