花澤香菜「claire」発売記念スペシャルイベント 豊島公会堂

かなり神妙な心持ちで参加。
花澤香菜という声優について、その声の魅力を讃える言葉を並べようとすると、いくら紙面があっても足りないくらい。決して声質だけではない、センスによって生み出されるその声の魅力は、男の欲望の根源を握られ揺さぶられるが如き快楽となる。
云わば魔性の声の持ち主である花澤香菜が、その声によって歌手デビューするということは、声フェチとして心底嬉しい出来事だった。そして、その生の歌声が聴けるイベント、ライブは、それはもう「尋常じゃない」魅力だった。
しかし、彼女の歌手活動について、今のところ次の動きが見えていない。4枚のシングルを出し、アルバムを出し、ライブツアーをし、そこまで。今回のイベントは、アルバムの購入特典イベント。では、この次は何をやるの?もちろん、次の展開が有るんでしょ?・・・内心に強い問いかけを抱えながら、イベントに参加した。
イベントは実に素晴らしかった。基本的にはツアーライブの縮小版とでもいうべきか。約1時間の中に主要曲を詰め込んで、MCではライブツアーの思い出を語っていた。豊島公会堂という音響が若干残念な環境であることを差し引けば、ライブツアーの、あの夢の時間の再現となっていた。
新しい情報があった。それは、ライブツアーの映像が発売されるという。それは、あの夢の時間の記録を何度でも見返す事が出来るということなので、とても嬉しい発表だった。
しかし、情報はそれだけ。
花澤香菜は、この今回のイベントが「一区切り」なのだという。とてもホッとした面持ちで語っていた。ただ、そこには次の展開への意気込みの様なものは、全く無い。やはり、彼女にとっての歌手活動は、最初に決められていたであろうこのイベントまでのプロジェクト、それ以降が存在しないのだろうか。
もしそうならば、実に残念だ。というか、勿体ない。何度でも、口を酸っぱくして言うが、花澤香菜の歌は絶品だ。それは、声優の声の魅力を歌に込めるという意味で、他のどんな歌にも無い魅力がこもっている。好き嫌い以前の、抗いがたい心揺さぶられる快楽、脳内を甘美な麻薬が駆け巡る歌声だ。
私には花澤香菜の「尋常じゃないオーラ」が、その歌声の中に見えるよ。w
もしかしたら、本人にはあまりやる気が無いかもしれない。けれども、それでも、何が何でも、周りの人たちが腕を引っ張ってでも、花澤香菜をもう一度ステージの上に立たせてくれるよう、強く願う。
もう一度、もう何度でも、彼女の歌声を生で聞きたいものだ。

claire

claire