俺の妹がこんなに可愛いわけがない。フェスティバル 舞浜アンフィシアター

このイベント名、考えてみれば前回と同じだよね。なんて適当なんだw。
中村悠一によるとこのイベントに申し込んだ人数はどうやら3万人、枚数では6万枚だったらしい。アンフィシアターのキャパが2,000程度だから、30分の1の確率とか。一応一般発売もあったけれども、もうこうなると暴力的なほどのレアイベントと言える。なんでもっと広い場所押さえられないのか、ライブビューとか出来ないのか、ソフト化も出来ないのかと小一時間…なのだけれども、その理由も分からなくもない。
内容が内容過ぎる。パロディCMとか宣伝担当が出てきての際どいトークとかあるけれども、それ以上に問題なのがキャストの面々とイベント上の役割だろう。竹達彩奈花澤香菜そしてあと一人、いずれもがアーティスト活動をしている。となるとその活動のクオリティーは守られなければならず、そんなキャストに重い仕事を依頼する際には、こういった狭い範囲を約束せざるを得ないのだろう。もちろん、そのコストの回収が見込めなくても。
しかし、これはダメだよね。これはトンデモナイイベントだった。アニメイベント史に残るほどのもの。前言撤回しても良いから、ソフト化して記録として残して欲しいものだ。
まず最初に「悠一のまんま」。これはこのイベントではお約束のコーナーだろう。しかし、最初から全ての女性キャスト陣が出てきて、こういった緩いコーナーを、ある意味やっつけでやっている雰囲気がある。そのあたりからして、その後の展開に対して「不穏な」雰囲気が漂う。
そして「あの二人組が登場」とか中村から振られて会場色めき立つが、もちろん皆が連想してしまう「あの二人組」ClariSが顔出しするはずもなく、おなじみのゆま三木コンビが登場。宣伝に絡めてコント的なトークを展開して笑いを取る。さすがのお二人。リーブ21とのコラボ企画の紹介とか。
しかし・・・、これらは全て前振りなのですよ。この後に続く、怒涛の1時間半ほどのショーの為の。
アニメキャラソンとは何の為にあるのか。それはアニメキャラクターの心情をより深く表現させる為にあると言える。
アニメイベントとは何の為にあるのか。それは現実世界でアニメの雰囲気を出来るだけ再現させる為にあると言える。
ならば、アニメイベントにおいてキャラソンを歌うのは必然。そしてもし歌うのならば、その歌う際の演出もよりキャラクターを再現させるよう凝った方が望ましい。それはつまり、よりミュージカル的に、歌の前後にミニドラマなどを加えて作品世界を再現するのが理想的。
このアニメイベントにおける私の理想像は、今までこのブログで折に触れてその断片を書いてきた。ここまで出来ればアニメイベントとして最高級だという想いを込めて、しかし、決してそこまで至るのは難しいだろうと思いつつ幾多のイベントの感想を書いてきた。
しかし、その私の心の中のアニメイベントの理想像が、今日、目の前で展開していた。それも、竹達彩奈花澤香菜生天目仁美佐藤聡美早見沙織という、実に豪華なメンバーによって。
夢か・・・。
舞台はアンフィシアター。なぜこの場所を選んだのかと言う事も、少し気になっていた。この会場はライブよりも「舞台」をするためにあると言える。その「舞台」には、悠一のまんまでおなじみの高坂家の居間をはじめ、兄妹の部屋や公園のベンチ、黒猫の勉強机などが登場する。正に芝居の舞台だ。
そして展開するのは、キャラソンをメインに据えた朗読劇。・・・これだよ。これこそが、折角生み出されたキャラクターの心情を深く表現するためのキャラソンが、最も「活きる」方法だよ。キャラソンが歌われるだけでも嬉しいのに、舞台とその前後の芝居によってよって、その心情がより深く伝わってくる。「俺妹」の世界に入り込める。正に至福。
そして、驚きはそれだけでは終わらなかった。録音音声だけの出演として、最初から登場していたメルルが、顕現した。つまり田村ゆかり姫の登場だ。もうここまで来ると幸福でお腹一杯(^^)、快楽過ぎてアニプレを訴えたいレベルだw。
もう一度言いたい。確かにこのイベントのソフト化は色々難しい要素が多そうな気がする。しかし、それでも万難を排してそのための努力をして欲しい。その結果、ファンの誰もが喜ぶだろうし、主催者も収益が上がるだろう。このイベントをお手本とするような作品も生まれるかもしれない。誰もが幸福になれるはずだ。このアニメオタクにとって夢のような時間を、ただ夢のままで終わらせないで欲しい。
本当に、夢のようなイベントだった。