アニメロミックス Presents NANA MIZUKI LIVE CIRCUS 2013 西武ドーム

水樹奈々の活動は続いている。今回の「サーカス」は特に地方公演が多く、関東圏ではこの西武ドームくらいしか参加できなかった。正に国民的な声優としての活動と言う事だろう。ツアーの一つとしてドームを持ってくるその大規模感が、水樹奈々の存在の大きさを改めて感じさせる。
そして圧倒的なパフォーマンスの質の高さ。大いに水樹奈々ライブを堪能することが出来た。
ただ、西武ドームでの水樹ライブは2年ぶりとなるが、二度目だからか少し粗さを感じてしまった。やはりこれがツアーであることも関係しているだろう。地方の小さなホールでも出来るツアーの演出をこの大舞台でやる。その無理が所々出ていた。最大の欠点が、演出の映像が2/3の客席で見られなかったこと。電光掲示板の映像はただの演出だけでなく、ステージ演出で最も重要な光源の一つ。それがその前に設置された大きな二つの拡大用スクリーンに阻まれ、一部の座席からしか見られないため、ステージ光源が足りない曲がある。これは実に残念だった。
他にも、大きな舞台なりのステージから離れた客席への対応も、前回西武ドーム、東京ドーム、マリンスタジアムに比べて実におざなり。本来、場末席の唯一の救いであるトロッコ移動も、スタッフが曲の長さを認識できてなかったのか高速で移動していたり。
水樹奈々のライブは、どんなにその規模が大きくなろうとも、その一切に手抜きが無い所に最大の魅力があると思っている。それは現在の生ける伝説的な声優である水樹奈々にとっての矜持からくるものだろう。
しかし、水樹奈々にとってある意味最大の目標であったであろう東京ドーム公演、あの美空ひばりが立った夢の舞台を体験し、その後、若干の足踏み状態が続いているとも言える。その中で、前回のLIVE GRACE 2013 OPUS II にしても少し大雑把な印象をもってしまったし、今回にしてもそう感じざるを得なかった。あの図抜けた存在である水樹奈々であっても、もしかしたら何か大きな岐路に立っているのではないかと思ってしまう。
今や認識しきれないほど巨大な存在である水樹奈々だが、実際、ある意味この時代の声優の夢ともいえる存在なのだから、どうかその存在が継続するよう、単に彼女自身の頑張りだけでなく、彼女のサポートも万全の体制で支えていって欲しいものだ。

Vitalization

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