Animelo Summer Live 2013 -FLAG NINE-三日目 埼玉スーパーアリーナ

アニサマ三日間に参加してきた。各日のアーティストについては書ければ後で書くけれども、とりあえず全体の感想について。
初の三日間開催だったけれども、まるでダレル事が無かったと思う。各日特色があって、趣向があって、とても楽しくて気が付いたら終わっていたという気持ち。これは純粋に素晴らしい事だと思う。
特に素晴らしいと思ったのが、観客のアーティストを受け入れる体制。これが終始万全の体制で受け入れているから、アーティストも頑張らざるを得ない。アーティストが口々に「アニメロのオーディエンスは素晴らしい」と口にするけれども、これは相当に本心だろう。普段はここまで大きなハコでやってないアーティストが多いと思うけれども、全てに全力で応えてくれるのだから。これがアニソンの力であり、アニサマ最大の美点だろう。
そして、このアニソン最大の美点を作りだすために相当考えられている構成だったというのが、本当の意味で素晴らしい。
今回の構成の特徴は、過去の掘り起しをほとんどしていないということ。
実は元々のアニサマの構成として、最新楽曲の紹介と両輪ともいえたのが過去の名曲の掘り起しだったと思う。今回過去の名曲とすれば串田アキラ山本正之の出演があったけれども、普段はそれだけでは無くて、ここ20年ほどの中の、つまりエヴァ以降の名曲の掘り起しみたいなものが必ずあったはず。それがほとんど無かった。
ほぼ最近の楽曲で構成されているのに、どれもこれも素晴らしいのだから、アニソンの多さを改めて思い知る。
後は、所謂萌えアニメ系のアーティストが結構出ていないこと。また、結構意外なのがシャフト、ufotableのスタイリッシュ系アニメのアーティストも出てない。じゃあ何が出ていたのかと言えば、一定の売り上げを記録した王道系のアニメの主題歌や、元々実績も実力もあるアーティストに絞られていたように思う。
これは、昨今のアニソンを務めるアーティストの層の厚さもさることながら、かなり練られた構成であったと思う。これは凄い事だ。
ただ、こうした構成の意図だとすると、少しだけ違和感を感じる選曲が有ったりする。
その違和感が何かを考えてみたのだけれども、それはやはりアニソンはアニメあってこそのアニソンだと言う事。アニメが皆の話題になったからこそ、その楽曲も引っかかってくる。特に今回のアニサマはその意図で選ばれたアーティストが多かった。
ならば、なぜアニサマはアーティスト枠で選ぶだけでアニメ枠で選ばないのだろう、というアニサマの構成の根本に疑問を感じてしまった。
昔のアニサマは、アニソンアーティストの紹介という意味合いが強かった。アニメの人気よりも、まずはアーティストありきの要素が強かったと思う。けれども時は流れてアニサマは大きくなり、より観客のニーズにダイレクトに応える様になってきた。
そして気がつけば、人気のアニメ作品として求められている楽曲を並べるよう考慮しているのに、その選び方はアーティストありきという、目的と手段の方向性が微妙にずれているという事になってきている。
ならばいっそのこと、アニメ作品枠として楽曲を披露するのも有ではないかと思う。
奇しくも田村ゆかり姫が「今年はアニソン歌ったので選曲に悩まないで済んだ」と言っていたけれども、それは人気アーティストとして出ても新たな話題曲が無ければ苦しい立場に成りえると言う事を意味している。例え水樹奈々でもこの場ではそうなる。シンフォギアが盛り上がっていてよかったと言うべきだろう。
もし「アニメ作品枠」が出来れば、話題の名曲があるのにアーティストがどうしても出演出来ない場合でも、他の人がカバーすることが出来る。作品キャストがカバーしたならそれはもうプレミアものだ。ClariSの楽曲も可能になる。逆にGRANRODEOのIGPXなんて最終回見た人どのくらいいるんだろうとか、今は黒子オンリーがいいなとか思ったり。
アニメ作品枠で構成されたフェスとして成功していたのは、例えば「電撃音楽祭」があったけれども、あれは良いものだった。あれは電撃作品だけを集めたものだったけれども、それを全アニソンでやるというのはどうだろう。いきなり全てを変えてしまうと、声優アーティスト枠が潰れてしまうので、アーティスト枠と作品枠の半々で構成するとか。アニミュージックスはそれに近い構成だったかな。
なにはともあれ良い方向に進んでいるとは思うので、より良いイベントになるよう思い切った手を打つような事もしてくれても良いように思う。次回開催も決まったようだし、今後の展開に注目していきたい。