エヴァンジェリンはネギまの続編を担う最適の人物

UQ HOLDER!を読んで、冒頭にエヴァが出たのにはさすがに驚いた。けれども、もし赤松健がこの作品をネギまの続編と位置付けているのであれば、これは実に妥当な配役だとすぐに納得できた。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは、ネギま世界の中核に関わるとても重要な人物だから。
ネギまにおいて、残された謎が沢山ある。細かいものやある程度推測でききるものもあるが、どうしても推測では収まらない大きな謎はというと大きく二つ残っていると思う。それは「ネギの母アリカはどうなったのか」「始まりの魔法使いはどうなったのか」。
「ネギの母アリカはどうなったのか」これについては正に最大の謎でありながら一切の言及がなされないまま終わっている。もしネギまを完全に完結させたいのならば、簡単に「死んだ」とすべきだがそれをしていないこと自体、続編への含みを持たせているのではないかと思わせるくらいだ。
「始まりの魔法使いはどうなったのか」については、ネギが倒したとされているが、それはとおり一辺倒な言葉でしかない。なぜなら始まりの魔法使いは不滅の存在とされていたから。その不滅の存在を完全に滅する事が出来たのかということはとても重要な確認だが、それは確認できていないと言ってよいだろう。つまり、ネギま最大の敵はもしかしたらまだ存在しているかもしれず、つまり続きの物語が想定できる訳だ。
そして、この二つの大きな謎を物語として展開するときに大きく関わってくるとおもわれるのがエヴァンジェリンだ。
ネギの母アリカはナギの妻だ。しかし、ネギま最終回の時そのナギの傍らにいる女性こそエヴァンジェリンだった。つまり、アリカの話をするとき、エヴァはその恋敵として物語に大きく関わることになるはずだ。
いや、本当にエヴァとアリカはナギを取り合うライバルなのか。
もう一つの謎「始まりの魔法使いはどうなったのか」についても、エヴァは大きく関わっている。エヴァは始まりの魔法使いから「娘」と呼ばれている。ネギまの物語の中ではあまり明確にされていないが、始まりの魔法使いが活動を開始したのは、実はエヴァが生まれた「現実世界の」600年前頃ではないかと思われる。始まりの魔法使いはエヴァの実験を基にもう一人の娘アマテルも生み出し、魔法世界の根幹を作り上げたという流れが推測される。魔法世界のシステムは始まりの魔法使いの存在そのものとも言ってよい。つまりエヴァンジェリンは始まりの魔法使いの存在そのものにかかわる重要な人物である可能性を残していると言える。始まりの魔法使いの最後を語るのにエヴァは欠かせない存在であると思っている。
とにもかくにもエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルという存在は、ネギま世界において最も大きな謎を内包したキャラクターであると推測していた。彼女の正体を解明する事こそが、ネギまにおいて未解決であった多くの謎を明らかにし、さらにはネギたちネギまキャラクターの更なる幸福な未来を提示する物語に繋がるものと思っていた。
なので、そんなキャラクターを中心にすえた今回の「UQ HOLDER!」には、ネギまファンして大いに期待せざるを得ない。是非、ネギまで語り切れなかった世界の謎を解明し、ネギたちのその後の人世も含めて物語世界を語り切って欲しいものだ。