RO-KYU-BU! LIVE 2013-FINAL LIVE さいたまスーパーアリーナ

茫然自失している。なんだか、魂の一部が抜け落ちて、どこかに昇天して、取り残されてしまったかのような感覚だ。
このライブは、授かりものだ。もう既に一度ユニットとして終了し、その奇跡的な復活なのだから。
花澤香菜井口裕香日笠陽子日高里菜小倉唯、このメンバー構成自体奇跡的。その誰もが主役級を張るスター声優達が、あの2年前に集まり、素晴らしいパフォーマンスを見せた。その瞬間が既に奇跡だった。だから、その終わりが早くに訪れる事も必然として、それを受け入れ、その後のメンバーの活躍を見守り続けた。
しかし、その奇跡が再来する。もう一度ユニットを組んで、ライブをしてくれる。その知らせは望外の喜びとして、唯々ありがたく感じるのみだった。
なのに、それが終わった後のこの寂寥感と言ったら、無い。
今となっては綺羅星の如く声優界で活躍し続ける彼女達を、ずっと「元RO-KYU-BU!」メンバーとして見続けていた自分がいる。こんなスター達だから、あの時ユニットとして終わっても仕方ないと自分で納得したつもりでも、心の中のどこかで期待していた。彼女たちが復活することを。私の中では、RO-KYU-BU!は全く終わっておらず、あの後もずっと続いていたと言う事だろう。
花沢香菜ゼーガペインで知るも、人となりを直接知ったのは電撃15年祭のガンスリステージ。テンパり少女として、グダグダながら場を盛り上げる芸人資質。しかし、その歌声にしびれたのはセキレイのイベント。ロリ声でそのロリの魅力のままに歌う。そのセンスは絶対にピカイチだと、その後最もソロデビューを期待していた声優だった。気が付いたら押しも押されぬ人気声優となっていて、RO-KYU-BU!解散後には自身のデビューも果たした。RO-KYU-BU!は正に彼女が中心にいたからこそ、ここまでの輝きを放ったと思う。
井口裕香。元G.G.F.ですよ。キャンペーンガールからの生き残りの5人として、最終メンバーの解散ライブを看取ったものだ。最も熱く真っ直ぐ。しかし、その後関わる作品が彼女の力と関係なく黒歴史化するなど、不遇な時を過ごしていたはずだ。それも、彼女は力を身につけて撥ね返し、今ではウザかわキャラの代名詞となる。彼女もRO-KYU-BU!解散後にデビューを果たした。メンバー中、最も長く応援している人でもあり、彼女のアーティスト活動は大いに期待している。
日笠陽子。彼女がけいおんで出てきたときには、その歌唱力に唯々驚いたものだ。それまで全く認識していなかった。彼女は歌唱力だけでは無く、その凛として澄んだ声質から後に多くの主役を獲得していく。正に主役女優と言うべき人。その芸人気質で明らかに花澤を抜いており、イベントに彼女が居るだけでファンは笑いを期待してしまう。てへぺろ。正に才能の塊のような人が年長としてメンバーを見守っていることが、ユニットの要となっていたのは間違いない。彼女が思う存分力を発揮するソロライブが待ち遠しい。
日高里菜。年若い新人なのに、気が付いたらそこに居た。とても澄んだ可愛らしい声と的確な演技。初めから玄人っぽい雰囲気を醸し出し、知らない内に主役級を手にしていた。人となりを知り歌を聴いたのは戦国乙女のイベント。しっかり歌い踊れるのに、本人は飾り気がなく出たがらない。常に笑顔で明るい自身を保ち続ける。メンバー中ただ一人ソロ活動をしていないが、彼女が本気になった時を想像すると、少し末恐ろしい。
そして、小倉唯。気まぐれで出向いた声優・アイドル半々くらいのライブに全きアイドル然として出てきたゆいかおり。しかし、幼いとも言うべきその声の輝きはピカイチで、その小倉唯の舌足らずな不思議な声色に魅了され、声優へ活躍の場を広げる事を熱望するようになる。その後も気が付いたらイベントに引き寄せられていたものだ。RO-KYU-BU!の中で最も若年ながら、最もアイドル経験豊富として、頼りにされていたとか。今ではデビューも果たし、若手アイドル声優の筆頭とも言うべき立ち位置に居る彼女。これからの活躍にも大いに期待したいところだ。
思い返せば、この5人ともロウきゅーぶ!前から熱心に応援したいと思っていた声優。その全員がこのユニットによってより活躍の場を広げていていって、今では5人中4人がソロ活動をしているほど。個人的にはもちろんのこと、アイドル声優業界的にも特別なユニットだったと言うべきだろう。
ライブの感想は、想いが溢れて、書けない。
ただ、ライブ終了の後、その晩にSSの最終回を見て、ロウきゅーぶという物語の終わりを体験した。以前のライブ終了にこれは無かったのだけれども、今回は明らかにある「終わり」。今回の奇跡は、物語を終わらせるための、その終わりを華々しく迎えるためのものだったのだろう。
今後も、RO-KYU-BU!活動復活の奇跡を期待し続けるだろう。しかし、この日この時RO-KYU-BU!という素晴らしいユニットが時代を駆け抜け、一つの区切りを迎えたのは事実だ。その事を今はただ大いに祝福し、メンバーの今までの活躍に感謝したいものだ。
ありがとう。RO-KYU-BU! 小学生は最高だぜ!!

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