劇場版空の境界 未来福音 舞台挨拶 新宿バルト9

これもまた、一つの終わりか。何とも感慨深い。
空の境界には、一時かなり深くのめり込んだものだ。奈須きのこ月姫で知った。その月姫で衝撃を受け、風邪を押してゲームをし続け死ぬかと思った事がある。ところが、その原型とも言うべきものがあるという。それがらっきょ。月姫プラスも買ったし、同人誌も買った。読んで、さらにのめり込んだ。
那須きのこは、世界の最も深い部分を描く伝奇小説家。その深さは、ある一点において他が到達できない所まで達している。そんな「世界の真理」を武器に、それを取り巻く小説の面白さもピカイチ。こんな物語が映像化されたら、形に成ったら、さぞ魅力的な物になるだろうとワクワクしたものだ。
それが最も望ましいといって良い劇場版という形の映像化となり、夢のような作品が作られ続けた。それが一旦終わったとしても、ほんの少しだけ原作が残っていた。
しかし、そんな物語も終わりを迎える。完璧とも言えるエンディングの物語がついに映像化される。もう、この物語は1998年から、その前後の時代を描いてきたのだ。既に15年も前。それからこれだけ大切に映像化され続けたのだから、全くと言って良いほど未練が無い。本当に深い感慨だけが残っている。
そんなだから、登壇者であるキャストのトークの一つ一つがとても沁みる。特に坂本真綾、彼女が実に熱のこもった、作品をピタリと捉えたトークをしていて、それは見事なものだった。そんな彼女を隣に、他のキャストの誰もが式の話をするとき、そこに式が居るかのように真綾の顔を見る。あの場では、真綾=式となって居たと言えるだろう。実に良いイベントだった。
さて、手元には、何故だか空の境界の新作小説がある。と言う事はまだ映像化の機会は残っているのかなw。というか、次世代による物語とか書いて欲しいんだよね。また、ufotableさんには月姫の外にも、未来永劫那須ワールドに付き合ってほしいものだ。
それこそが、未来福音